キヤノンMJとサイバートラストが手を組む
キヤノンマーケティングジャパン株式会社(以下キヤノンMJ)とサイバートラスト株式会社が、電子文書の安全性と信頼性向上に向けて協業を開始しました。この新たな取り組みは、特に企業間でやり取りされる文書の真正性や非改ざん性を確保することを目的としています。双方は、2026年1月下旬から、キヤノンMJのデジタルドキュメントサービス「DigitalWork Accelerator」を通じて、サイバートラストの「iTrust リモート署名サービス」を活用した「eシール」自動付与機能を提供することを発表しました。
電子文書の現状と課題
最近、企業では帳票や文書のやり取りが紙からPDFなどの電子形式へと急速に移行しています。しかし、電子文書は紙よりも容易に改ざんや複製ができるため、発行元なりすましや内容の改ざんといったリスクが増大しています。このようなリスクを防ぎ、文書の真正性を保証することが、今や企業間取引において重要な課題となっています。
そのため、政府は電子文書の信頼性を保証するための「eシール認定制度」を整備しています。この制度により、社印や組織印の電子版であるeシールによって、電子文書の発行元と内容の信頼性が強化されます。これまでも大学や教育機関が成績証明書や卒業証明書にこのeシールを付与するケースが多く見受けられます。
協業の内容
今回の協業により、キヤノンMJの「DigitalWork Accelerator」と、サイバートラストの「iTrust リモート署名サービス」及び「iTrust eシール用証明書」が連携します。この仕組みにより、キヤノンMJが提供する電子文書に自動でeシールが付与され、企業間取引書類での発行元証明や改ざんリスクの軽減が実現されます。受領側は、Adobe Readerを使って文書の改ざん有無と発行主体を即時に確認することができます。
業務効率化と信頼性向上
この新機能は、請求書や見積書、各種業種で発生する書類において、発行元の証明を確保するためのメカニズムを提供します。これにより、企業間の取引環境が信頼性を持ち、確認作業の負担が軽減されることで、業務の効率化や透明性の向上が期待されます。
また、サイバートラストは、電子署名用認証局として「JIPDEC トラステッド・サービス登録」を取得しているため、通じて提供される「iTrust eシール用証明書」と「iTrust リモート署名サービス」によって、より厳格な運用体制のもとで電子文書の信頼性と真正性が確保されます。
今後の展開
キヤノンMJは、今後もサイバートラストとの連携を深め、業種や業務に特化した多様な書類へのeシール付与を進めていく予定です。これにより、顧客企業に対して業務の効率化と信頼性向上を実現し、トラスト領域における新たなビジネスモデルの確立を目指します。電子文書管理の未来を変えるともいえるこの協業は、今後の展開が非常に楽しみです。