東急グループが挑む再エネ由来100%電力の自産自消
東急株式会社とその関連企業、東急電鉄株式会社および株式会社東急パワーサプライは、再生可能エネルギーの利用促進に向けた新たな取り組みを発表しました。特別目的会社(SPC)が開発した太陽光発電所からの環境価値を通じて、東急電鉄が保有する施設に再エネ由来の100%電力を供給し、2025年中にはこの“自産自消”の仕組みを実現することを目指しています。
この試みにより、東急電鉄は既に2022年4月より全路線で再エネ由来の100%電力を使用しており、環境価値の提供により、さらなる脱炭素化を推進します。具体的には、「電車とバスの博物館」など、東急電鉄の各施設に対して再エネ電力を調達し、持続可能な運営を目指しています。
バーチャルPPAを活用した電力供給
新たに採用される「バーチャルPPA」というスキームを通じて、再エネ由来の100%電力を長期的に調達可能となります。これにより、年間約67万kWhの電力を新たに再エネに転換し、約294トンのCO2削減が期待されています。この契約方式は、東急電鉄にとって初の試みであり、グループ全体としても重要なステップとなります。
環境ビジョン2030に基づく取り組み
東急グループは、2022年3月に制定された「環境ビジョン2030」の達成に向けて様々なアクションを進めています。このビジョンでは、2030年までにCO2排出量を46.2%削減し、再エネ比率を50%に引き上げることが目指されています。そして、2050年にはCO2排出量を実質ゼロにし、再エネ比率を100%にする計画です。こうした目標を実現するために、グループ共同で、従来の環境への負担を減らす新たなシステムの構築に挑戦しています。
地域への配慮とエコシステムの構築
東急グループは、地域社会と環境を大切にするため、発電所による電力供給に留まらず、蓄電システムの導入やエネルギー効率の改善にも注力しています。特に、田園都市線市が尾変電所には関東初の大規模蓄電システムが設置され、災害時のBCP(事業継続計画)強化も図られています。
今後の展望
今後も、東急グループは再生可能エネルギーの普及に向け、バーチャルPPAやその他の新しいアプローチを積極的に活用していく方針です。脱炭素社会の実現に向かって、地域環境に優しい取り組みを継続し、「スマートでグリーンなECOシステム」の確立を目指します。これにより、持続可能な地域社会の実現に貢献していきます。
この取り組みは、単に電力を自給自足するだけでなく、地域の環境保全にも寄与するものとして期待されています。東急グループの行動が、他の企業や地域社会にも波及することを願っています。