『Faire Corps』展
2025-06-12 18:24:57

フランス現代アートの集大成『Faire Corps』が銀座で開催中

フランス現代アートの集大成『Faire Corps』の魅力



フランス、ダンケルクにて設立されたFRAC Grand Largeのコレクションから選ばれた作品を展示する「Faire Corps」が、東京のエルメス Maison Ginza Le Forumで開催されています。このグループ展は、アートと現代社会の課題に向き合う試みの一環として企画されました。

FRAC Grand Largeとその意義


FRAC Grand Largeは1982年にリールで設立され、1996年にダンケルクに移転しました。以来、彼らは1960年代以降の約2,000点もの作品を収集し、地域の美術館やアートセンターとの連携を図りながら、学校や病院、地域のスペースでの展示も行っています。このように、彼らは地域のアートネットワークを構築してきました。

そのコレクションは、絵画や彫刻、ビデオ、インスタレーション、パフォーマンスなど、様々なメディアにわたる作品から成り、アートや社会における常に存在する問題を探求しています。また、750人以上のアーティストやデザイナーによる作品が収められており、特に性別やヒエラルキーといったテーマが扱われています。ダンケルクという地理的背景も影響しており、この地域は国境を挟んでベルギーと向かい合い、英仏海峡を隔ててイギリスがあるため、国際的な力関係や地政学的緊張が作品に反映されています。

展覧会のテーマと内容


「Faire Corps」というタイトルは、フランス語で「ひとつになる」または「調和する」という意味です。この展覧会は「社会的身体」をテーマに、1973年から2025年までの間に制作されたヨーロッパ(フランス、イギリス、ベルギー、イタリア、ギリシャ、ルーマニア)、アメリカ、そして日本からの13人のアーティストによる作品が展示されています。

アートは日常生活をより興味深くするものだと語ったロバート・フィリオーの言葉を借りれば、この展覧会はアートと日常生活のあいまいな関係性を照らし出します。個人と集団の両方で機能する社会的身体を描いた作品が並び、流動的な日常生活とアートを通じた秩序の構造が考察されています。

展覧会は1970年代のアイコニックな写真から始まります。例えば、ヘレン・チャドウィックの「In the Kitchen」は性別について問いかけ、アンドレ・カデールの「Round Wooden Bar」は身体表現に根差したパフォーマンスの一例です。また、アナ・トルフスのビデオ作品「Sideshow」やネフェリ・パパディムリのコスチュームとビデオインスタレーション「We Are Forests」も見どころです。

ボディの脆弱性を象徴する作品もあり、ジェシー・ダーレインやポール・マヘケの作品がそれにあたります。また、タレク・ラクリッシは異国と母国の言語にまつわる緊張感を探求しています。この展覧会には、手作業の専門知識と共有をテーマにしたアートコレクティブのプロジェクトや、大阪を拠点にする佐原耕平の多様な視点が交差する空間も含まれています。ダンケルクで若くして亡くなったクリスティーヌ・デクニュイのドローイングも展覧会の一部であり、存在の境界を探る実験的なアプローチが際立ちます。

この貴重な展示は、2025年10月12日まで続く予定で、日々の生活に密接に関わるアートの意義を再考する機会を提供してくれます。

展覧会詳細


  • - 開催期間: 2025年7月19日(土)〜10月12日(日)
  • - 会場: エルメス Maison Ginza Le Forum(銀座5-4-1、8F/9F)
  • - 開館時間: 11:00〜19:00(最終入場18:30)
  • - 休館日: 水曜日
  • - 入場料: 無料

アートに興味がある方は、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。日常生活の中で、アートがどのように機能するかを問い問い直す貴重な機会となるでしょう。


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会社情報

会社名
エルメス財団
住所
24, rue du Faubourg Saint-Honoré 75008 Paris - France
電話番号

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