演出家奥田の挑戦
2025-06-30 14:07:23

若手演出家・奥田知叡が挑む中国現代演劇の名作『非常麻将』

2025年の夏、東京と神奈川を舞台に、新進気鋭の演劇ユニット「三人之会」が、現代中国演劇の名作『非常麻将(フェイチャン・マージャン)』を上演します。演出を担うのは若手演出家・奥田知叡。彼は中国語のネイティブスピーカーとして、この作品の深いメッセージを日本語に翻訳し、オリジナルの文学性を大切にした演出を試みています。

『非常麻将』は2000年に北京で初演され、現代中国演劇の中でも特に注目される作品です。内容は、義兄弟である3人の男たちがマンションの一室で麻雀を打ちながら織りなす人間ドラマ。現代人の不安と無力感を主題としており、時代の変化によって揺らぐ個人の心情を巧みに描写しています。特に1990年代後半の中国社会を背景に、自己の存在意義への問いかけを行なうこの劇は、多くの観客に強く共鳴しているのです。

三人之会は、これまでに中国演劇や能を題材にした多様な作品を手がけてきましたが、今回の公演は2025年の活動3周年を記念した意義深いものです。リーダーの奥田は、これまでの演出経験を活かし、観客が感情的に引き込まれるような演出を目指しています。「将来への不安というテーマは、この時代においてますます重要です。この作品を通じて、観客同士の対話が生まれることを期待しています。」と彼は語ります。

この『非常麻将』は、過去の日本公演で日本語字幕が付けられた中国語の上演が行われましたが、今回の公演は初めて日本語による翻訳上演となります。翻訳は飯塚容氏と菊池領子氏が担当し、菊池氏は過去の訪日公演にも関わった実績があります。

作品の舞台は、義兄弟の契りを交わした男4人が最後のゲームを行うために集まるマンションの一室。彼らは一人の義兄「老二」を待ちながら、麻雀を打つという設定。この場面では、彼らが語る老二の存在が少しずつ食い違い、彼が来ない理由に対する疑念や不安が強まります。観客は彼らのやりとりを通じて、将来への不安や孤独感などを共有することになります。

公演は東京のシアター・バビロンにて、2025年7月31日から8月4日まで。そして神奈川のスタジオHIKARIで、8月15日から17日まで行われます。出演者には、今井聡、牧凌平、谷津恒輝、田中綸などの若手俳優が揃い、チケットは6月24日から販売開始になります。観劇希望者は、ぜひ早めにチェックしてみてください。

この公演は、ただのエンターテイメントではなく、観客が自身の生活や価値観を再考するきっかけとなることでしょう。現代中国の社会情勢を反映した、深くて奥のある演劇の世界に、ぜひ触れてみてください。細部にわたる翻訳と演出によって色濃く表現される『非常麻将』の世界は、きっと観る人の心に響くことでしょう。


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