自動車業界の新時代を切り開くSaaS『HOKYU』
common株式会社が新たに提供を始めた自動車ディストリビューター向けのSaaSアプリケーション『HOKYU』は、補給部品管理業務のデジタル化を実現します。この製品は、数万点以上に及ぶ品番の管理やエイジングの課題に取り組み、業務効率の向上だけでなく、データを駆使した経営手法をサポートし、欠品率を低下させることが期待されています。
背景と課題
自動車補給部品はSKUが非常に多く、品番ごとの需要は断続的に変動します。このような特性から、従来のベーシックな方法では業務を効率的に運用することが難しいのが現状です。また、輸入や調達に伴うリードタイムが長く、為替の影響も大きく、仕入れ条件に基づく原価計算も複雑化しています。そのため、適在庫の維持や粗利の安定化に苦労する企業が後を絶ちません。
さらに、生産終了モデルや車両の年齢構成の変化も、市場保有台数(UIO)と販売実績とのギャップを生じさせ、Excel中心の運用や分散システムの使用はエイジングや滞留在庫の視認性を低下させます。このような背景から、自動化されたソリューションが強く求められていました。
製品の特長
『HOKYU』は、以下のような高機能を備えた自動車補給部品管理SaaSです。
SKU別最適発注機能
需要の種類(連続、断続、季節、新規)を自動で分類し、最適な発注方法を提案します。さらに、ABC分析を用いてSKU単位での周期的発注に対する自動提案も行い、分類に至る理由や計算式を詳しく可視化します。
UIOと実績のギャップ分析
人工知能(AI)を活用し、車齢別に保有台数や稼働率を分析しながら標準消費量を推定。実績との乖離を特定し、その要因を明らかにします。また、ディーラーごとの装着率や到達率もスコア化し、補充や販促の提案も行います。
原価と為替感度の損益管理
商品の本体価格に加え、輸送費、保険、関税、港費、手数料など、さまざまな要素をロット単位で計算し、見込レートを変化させることにより、粗利レンジを即時に試算できます。これにより価格改定や発注見直しに直結します。
エイジング・滞留在庫対策
滞留スコアをもとに、値下げ、セット販売、拠点間移動、仕入れ停止、返却、廃棄などの最適な対策を提案します。RFIDやバーコード、QRコードを使用して、現場での作業効率も向上させます。
導入とサポート
『HOKYU』の導入にあたっては、要件整備から初期設定、オンライン及び現地での研修までトータルサポートを提供します。また、移行プロセスにはデータクレンジングやリハーサルが含まれ、段階的に全ラインへの移行が行われるため、安心して運用を開始できます。サポートは24時間365日で、平日には専用窓口も設置されています。
まとめ
このように、SaaS『HOKYU』の導入は自動車部品管理の効率化や業務の合理化に寄与し、不良在庫の削減や利益の安定化に貢献することが期待されます。補給部品管理での課題を抱えている企業には、大きな助けとなるでしょう。
代表取締役社長の石川毅志氏は、「『HOKYU』は、補給部品ならではの難題にデータベースとAIを駆使して答える製品です。業務でお困りの方は、ぜひお問い合わせください」との意向を示しています。