大阪に新たな実験施設「Masscollabo」の登場
2023年2月1日、大阪市旭区に、冷凍食品や鮮度保持を革新するための実験施設「Masscollabo」がオープンしました。この施設は、食品業界のニーズに応じて産業ガスを活用した凍結技術や包装技術を体感できる新しい場として注目されています。
冷凍食品の需要が急増
近年、外食を控える傾向から家庭向けの冷凍食品需要が急増しています。特に2020年には、家庭用の冷凍食品出荷額が業務用を上回るという状況が見られ、スーパーマーケットでは冷凍食品の売り場が拡大し、さらに専門店も増設されています。冷凍食品の選択肢が増える中、より高品質で鮮度を保った食品が求められるようになりました。これに伴い、チルド食品や生鮮食品の鮮度保持技術も重要視されています。
産業ガスを活用した画期的な技術
「Masscollabo」では、一般的には認知度が低い産業ガスを活用した食品の凍結や鮮度保持手法の実験を行うことができます。具体的には、液体窒素を使用した極低温の凍結技術や、MAP(ガス置換)包装技術が挙げられます。
液体窒素凍結
液体窒素とは、マイナス196度の超低温液体で、食品を迅速に冷凍することが可能です。この技法では、氷結晶が小さくなるため、食材の組織を傷めず、品質の高い冷凍食品を作ることができます。
MAP包装
MAP包装は、食品ごとに最適なガスを使ってパッケージ内の空気を入れ替えることで、酸化を防ぎ、鮮度を長持ちさせる技術です。これにより、賞味期限や消費期限を延ばすことができます。
「Masscollabo」での実験
施設の1階には完全装備のキッチンがあり、調理作業に加え、冷凍食品の解凍や加熱加工も行えます。このため、実験から効果検証までをスムーズに行える環境が整備されています。2階にはコミュニティスペースが用意されており、最大15名が利用可能です。このスペースを活用することで、商談や展示会、セミナーが実施でき、1階との連携で新商品の開発や試作も可能です。
施設概要
- - 施設名: Masscollabo(マスコラボ)
- - 住所: 大阪市旭区新森2丁目21番2号
- - 営業時間: 9:30〜17:00(月〜金、土日祝休み)
- - 定員: 【ラボスペース】8名程度 【コミュニティスペース】15名程度
- - 利用形態: 完全予約制
- - 予約方法: 公式サイトより
- - 利用料金: 【ラボスペース】実験費用15,000円〜 【コミュニティスペース】2,000円/H(2Hから)
会社情報
「Masscollabo」を運営するのは、1958年に設立された株式会社マスコールです。主に産業ガスの製造と、そのガスを用いた製品のソリューションを提供しています。冷凍食品市場の拡大に対応し、更なる商品開発を支える役割を果たしています。
このように「Masscollabo」は、冷凍食品業界の未来に向けた新しい実験の場を提供し、食品の鮮度保持に関する新たな可能性を切り開いています。今後の活躍に期待が高まります。