GTNとメディフォンが業務提携、外国人への包括的支援体制を構築
株式会社グローバルトラストネットワークス(GTN)と医療通訳サービスを提供するメディフォン株式会社が業務提携を結び、在日外国人のための新たな支援体制を設立します。この提携によって、GTNの生活サポートとメディフォンの医療通訳を一体化し、外国人が安心して日本で生活できる環境を構築していくことが期待されています。
背景
近年、日本で暮らす外国人の数は急速に増加しており、2024年末には約377万人に達する見込みです。このような中で、外国人が安心して生活するためには、住まいや仕事、通信、金融、医療といった生活インフラの整備が必要です。特に医療分野では、言語や制度の違いから受診や健康相談に不安を抱く外国人が多く、その中において医療通訳の重要性が高まっています。
実際、在留外国人の6人に1人が過去1年間に病院で困った経験があり、これが医療アクセスにおける大きな課題となっているのです。さらに、厚生労働省のガイドラインによれば、日本の医療機関も外国人患者の受け入れに対して慣れていないケースが多く、対応に不安を感じていることが指摘されています。
こうした背景を踏まえ、GTNは外国人への生活支援を提供し続けており、メディフォンも多言語の医療通訳サービス「mediPhone」を展開しています。今回の提携は、これらの強みを融合させ、両社の協力によって、医療通訳をより多くの外国人が利用できる環境を提供することを目指します。
提携内容
新たな支援体制として、GTNは自社の生活相談アプリ「GTN Assistants」にメディフォンの医療通訳機能を追加します。これにより、外国人ユーザーはアプリ内のアイコン一つで、33言語の医療通訳へアクセスできるようになります。医療通訳は電話及び三者間通訳により、言語の壁を越えて、医師とコミュニケーションをとることが可能になるのです。
さらに、このサービスは365日24時間対応を実施するため、病気やケガの緊急時にも安心してサポートを受けられます。これにより、外国人が安心して医療機関に足を運べる環境を提供し、迅速な診断と治療が受けやすくなることが期待されています。また、医療スタッフにとっても外国人患者への対応が軽減され、より専門的な診療に専念できる環境が整います。
未来の展望
両社は今後、今回の機能連携をきっかけに、さらに包括的な支援体制の構築を目指します。具体的には、日常生活相談と医療サポートを組み合わせたワンストップアプリの開発を検討しており、AIによる問診翻訳や病院予約機能、健康情報管理機能の拡充も予定しています。これにより、外国人の健康相談や予防医療にも対応していく方針です。
また、医療アクセスの改善に向けて共同で調査や啓発活動を進め、特に外国人特有の不安や緊急時のニーズに合わせたUX改善にも取り組む考えです。GTN Assistantsは、今後「生活+医療」を一つのプラットフォームで包括的にサポートする存在へと進化し、他社との差別化を図っていくことでしょう。
この提携を通じて、GTNとメディフォンは外国人がより安心して日本での生活を享受できるよう努めていくことを約束しています。両社の代表者たちも、この取り組みに対して高い期待を寄せており、それぞれの経験と知識を活かして、生活と医療の両面から外国人支援をさらに充実させていくことを目指します。