障がい者雇用支援に挑む新たな拠点「Sucre」の開設
元Jリーガーの陸守康汰氏が、障がい者雇用の課題に真っ向から挑むべく、福岡市に就労継続支援A型事業所「Sucre(スクレ)」を2025年10月1日に開設することが決定しました。株式会社RAPASの子会社である株式会社COPASが運営を行うこの新拠点は、障がいや難病を持つ方々にとっての新しい働き先として、重要な役割を果たすことを目指しています。
日本における障がい者雇用の現状
現在、日本の非労働力人口は約4,031万人に達し、これは全生産年齢人口の約37%に相当します。この中には「働く能力がない」と見なされている障がい者たちも含まれています。福祉事業所は、彼らを労働人口として社会に迎え入れる重要な存在ですが、最近の報酬改定により、事業所の数が過去最多に達し、多くの利用者が解雇される現象が起こっています。具体的には、2024年3月から7月の間に、約4,279人が施設から解雇されました。
このような厳しい状況下での「Sucre」の開設は、障がい者雇用の問題に新たな光を当てることになりそうです。工賃の支払い義務があり、かつ報酬単価が低いために難しいとされるA型事業所を新たに設立すること自体、決して簡単な挑戦ではありません。しかし、RAPASは安定した業務委託の基盤を持っており、開所初月から黒字化が見込まれています。
「Sucre」の具体的な支援内容
「Sucre」では、清掃業務やPC作業など、求められる実務スキルを身につける機会を多く提供します。人手不足が問題視される業界において、一般企業で実践できるスキルを学ぶことができるため、実際の就労に繋がることが期待されます。これにより、障がいのある方々が一般就労を果たせる環境を整えるだけでなく、「人手不足」や「採用難」といった社会的課題にも寄与することを目指しています。
陸守康汰氏の思い
「Sucre」の開設に寄せて、陸守康汰氏は、「私のサッカー人生が示すように、誰もが自分の強みを活かして輝ける場を提供したい」と語っています。引退後、経営者として新たな夢を追い求める中で、社会における障がい者の現実に直面し、その課題を浮き彫りにすることになりました。彼自身が「働きたい」と願う人々の力になり、「誰もが自分らしく輝ける社会」を築くことを目指しています。
RAPASとCOPASの取り組み
株式会社RAPASは、手書きの手紙作成や業務代行(BPO)を手がける福岡発のベンチャー企業です。「アナログの力で世の中に『アイ』を」をテーマとし、全国の就労支援施設との連携を強化しています。「Sucre」もその一環として、多くの利用者を支援することが期待されています。
会社情報
- 本社:福岡県福岡市南区清水1-24-31 浪花モンテ・ビヤンカ 2F-3F
- 代表取締役:陸守 康汰
- URL:
www.rapas-fukuoka.jp
- 所在地:福岡県福岡市南区野間1丁目17番17号 ソリーナマンション野間102
- 運営会社:株式会社COPAS
- 代表取締役社長:萩尾 みずき
- URL:
copas.co.jp
福岡から始まったこの新たな試みが、全国に広がることを期待せずにはいられません。障がい者が自立し、存分に能力を発揮できる社会の実現を目指す「Sucre」は、今後の展開が大いに楽しみです。