毎日のリサーチ革新
2017-10-16 15:11:19
毎日新聞社が取り入れた新たなマーケティングリサーチ手法の全貌
近年、メディア業界におけるマーケティングリサーチの重要性が高まっています。そして、毎日新聞社が新たに導入した「オウンドオーディエンスリサーチ」は、その流れを受けて、より効果的な読者分析とコンテンツの最適化を実現する画期的な取り組みとして注目を集めています。
このソリューションは、Cint JapanとSyno Japanの二社による共同提供で、主に自社サイトの訪問者を対象としたリサーチを可能にします。情報収集が迅速かつ効率的に行えるため、メディア企業は広告のターゲット層を明確にし、ニーズに応じたコンテンツ制作へと繋げることができます。
導入の背景
毎日新聞社は、月間PV数が約1億2,000万、UU数が約3,300万という膨大なアクセスを誇るニュースサイトを運営しています。しかし、従来はユーザーの声を直接反映させる仕組みが不十分でした。そこで、独自の調査パネル「毎日アンケートパネル」が構築され、より双方向性のある情報収集が行われることとなったのです。
オウンドオーディエンスリサーチの特徴
「オウンドオーディエンスリサーチ」では、主に以下のような特徴が挙げられます。
1. 新たな収益源の確保: 自社パネルから得られるリサーチ結果をもとに、世界80カ国に広がるCintのネットワークを活用し、リサーチを求める他企業からの利用料を得ることができます。このパネルを運営することで、新たなマネタイズが実現します。
2. コストの削減: 外部リサーチ会社に依頼することなく、自社のアンケートパネルを利用することで、低コストかつ迅速な調査が可能になります。これにより、企業は余計な出費を抑えることができます。
3. 迅速な情報収集: 例えば、選挙に関するタイムリーな調査を簡単に実行できます。最新のインサイトを得ることで、独自性の高いコンテンツの制作が行いやすくなります。
4. 常に最新のプロファイリング: 調査を行うたびにパネルのプロファイリング情報は更新され、高速で変化するユーザーデータに基づいた判断が可能になります。
5. DMPとの連携によるマーケティング効果の向上: 自社のデータマネジメントプラットフォーム(DMP)と連携して、広告配信におけるLOOK-A-LIKE手法を用いることで、より精度の高いターゲティングが実現します。
アンケート実施への具体例
毎日新聞社では、特定コンテンツにタグを貼付け、そのコンテンツに接したユーザーの属性情報を取得しています。これにより、広告配信の最適化や、各コンテンツの評価をリアルタイムに把握できるようになりました。実際に行われたアンケートでは、コンテンツ接触者に5,000人への定量アンケートを行い、どのような評価や意見が得られているのかを確認・分析しました。
今後の展望
毎日新聞社は今後も、この調査によって得られたデータをもとに、ビジネスモデルの革新を目指します。また、シント・ジャパンとシノ・ジャパンは、この共同プロジェクトを通じて、日本のメディア業界のさらなる発展を支援していく所存です。
10月17日・18日には東京国際フォーラムで開催されるアドテック東京に共同出展し、その成果を広く発信する機会を設けています。これにより、他のメディア企業との連携や新たなビジネスチャンスも期待できそうです。
結論
毎日新聞社が採用した「オウンドオーディエンスリサーチ」は、メディア業界に新たな風を吹き込み、リサーチ環境の革新をもたらすものです。これにより、読者の真のニーズに応える報道が可能となり、メディアの価値向上に寄与することが期待されます。
会社情報
- 会社名
-
Syno Japan 株式会社
- 住所
- 神奈川県鎌倉市扇ヶ谷1-8-1 山口ビル3F
- 電話番号
-
0467-38-6530