次世代店舗環境の実現に向けた共同研究
金沢工業大学のロボティクス学科、出村公成教授の研究室が三協立山株式会社とタテヤマアドバンス社と手を組み、次世代店舗環境の実現を目指す共同研究をスタートしました。この研究の主な目的は、小売業が抱える深刻な人手不足を解消し、業務の効率化を図ることにあります。
人手不足を解消するロボティクス技術
出村研究室は2021年6月から始めた共同研究の第一期として、近未来のコンビニエンスストアでの使用を見越した次世代スライド棚の開発に取り組んできました。具体的には、三協立山株式会社がロボットに最適化されたスライド式陳列棚を設計し、出村研究室はその制御技術を担当。おにぎりやお弁当の陳列・廃棄といった作業を自律的に行えるロボットの開発が進められました。
研究の成果として、2024年11月にインテックス大阪で開催された「WRS Future Convenience Store Challenge 2024」では、出村研究室が開発した技術を駆使し、圧倒的な成績を収めて見事優勝。これは、ロボティクス技術の実用化に向けた大きな一歩といえるでしょう。
次なるステップ:共同研究第2期
優勝の成果を受けて、共同研究第2期が2024年12月から始まりました。このフェーズでは「ロボット技術を活用した次世代店舗環境」がテーマとなり、人とロボットが共に働ける店舗設備のアイデア探求が進められます。目指すのは、さらなる人手不足の解消と業務効率化です。
この研究は2025年8月まで続けられる予定で、新しい店舗モデルが現れるのが待ち遠しい限りです。
WRS FCSC2025への挑戦
また、出村研究室は「WRS Future Convenience Store Challenge 2024」での優勝を糧に、2025年7月に開催される「WRS2025ファスチャーコンビニエンスストアチャレンジ」本大会に出場します。この大会では、共同研究第2期の成果を披露する場となるでしょう。
出場予定のチームは、玉川大学のeR@sers、中央大学のHARChuo、九州工業大学、北九州市立大学のHibikino-Musashi@Home、奈良先端科学技術大学院大学、立命館大学、パナソニックのNaRiPa、名城大学のTeam Meijo、そして東京都立大学のTMU Mecha Clerkと多彩です。
未来の店舗環境へ向けた展望
出村研究室の取り組みは、最新のロボティクス技術を小売業に応用することで、より快適で効率的な店舗環境を生み出すことを目指しています。人とロボットが一緒に作業できる店舗は、未来の小売業にとって欠かせないモデルとなることでしょう。今後の研究成果に期待が高まります。
未来の買い物体験の革新が、金沢工業大学から始まるのです。