女子高生の素粒子実験
2024-06-26 16:10:03

日本人初!女子高校生チームの国際素粒子実験がスイス・ジュネーブで実現!

日本人初!女子高校生チームがスイス・ジュネーブのCERNで素粒子実験に挑む!



日本の女子高校生チーム「Sakura Particles」が、世界最大の加速器施設CERN(スイス)で行われる国際素粒子実験コンテスト「Beamline for Schools」に日本人として初めて採択されました。2024年9月から2週間、スイス・ジュネーブで実験を行う予定です。

Sakura Particlesは、女子学院高等学校、埼玉県立川越女子高等学校、大阪府立北野高等学校、神奈川県立川和高等学校、順天高等学校の5つの高校の生徒で構成されています。加速キッチン合同会社のサポートを受け、1年間かけて素粒子検出器の開発に取り組んできました。

開発した検出器は、宇宙から降り注ぐ高エネルギーのミュー粒子を使って地球上の大型構造物の内部を透視する技術「ミュオグラフィ」への応用を目指した「手作りの宇宙線イメージング検出器」です。

高校生チームは、独自に工夫を凝らし、ミュー粒子の軌跡を測定する手作り検出器を開発することに成功しました。さらに、2024年3月には高校生として史上初めて高エネルギー加速器研究機構のフォトンファクトリーで光速の電子ビームを用いてテストを行い、その性能を実証しました。

これらの成果が評価され、今回の採択に至ったのです。

CERNでは、宇宙から降り注ぐ宇宙線を模擬して人工的に光の速さの99%以上の高エネルギーミュオンビームを生成し、自作の検出器のイメージング性能を検証します。

Sakura Particlesのメンバーは、9月からスイス・ジュネーブに2週間滞在し、CERNの素粒子物理学者のサポートのもと実験を行う予定です。

加速キッチンとは?



加速キッチンは、宇宙・素粒子探究活動を行う中高生のサポートを行っている団体です。

自宅で宇宙線測定ができるよう素粒子検出器の貸与を行い、大学生メンターのオンラインメンタリングによって、本格的な素粒子計測を可能にしています。

全国の100名以上の中高生が加速キッチンの支援のもと、様々な素粒子研究に取り組んでいます。Sakura Particlesはこの参加中高生の有志によって結成されたチームです。

Sakura Particlesメンバー



Sakura Particlesは、将来を担う科学者たちの夢と情熱にあふれたメンバーで構成されています。

松下千穂里さん(女子学院高等学校・高校2年生)
貫輪美博さん(埼玉県立川越女子高等学校・高卒)
澤井愛実さん(神奈川県立川和高等学校・高校3年生)
佐々木柚榎さん(大阪府立北野高等学校・高校1年生)
* 跡部蒼さん(順天高等学校・高校2年生)

それぞれのメンバーは、中学時代から宇宙線や放射線、素粒子に興味を持ち、様々な研究に取り組んできました。

コーチ



河野理夏子さん(The Australian National University・M1)は、加速キッチンスタッフとして、複数の中高生グループの探究指導を行ってきました。2023年から加速キッチン参加中高生の「Beamline for Schools」応募の支援を行っています。

Beamline for Schoolsとは?



「Beamline for Schools」は、大型加速器施設であるCERN(スイス)とDESY(ドイツ)によって行われている高校生国際素粒子実験コンテストです。

採択されたチームは、旅費支給の上で現地に招待され、2週間かけて提案した素粒子実験を研究者とともに行うことができます。

今年度は461件の応募があり、日本、エストニア、アメリカの3チームが採択されました。

CERNについて



CERNは、スイス・ジュネーブにある世界最大の加速器施設です。同施設のLHC加速器では、2013年にノーベル賞を受賞したヒッグス粒子の発見に貢献しています。

ミュー粒子とミュオグラフィについて



ミュー粒子は、電子に似た素粒子で、1936年、宇宙から降り注ぐ宇宙線として発見されました。現在では、宇宙線を使った透視技術「ミュオグラフィ」などに加えて、大型加速器で人工的に大量につくれるようになり、様々な応用が始まっています。

ミュオグラフィは、宇宙から降り注ぐ高エネルギーのミュー粒子を用いた透視技術です。エジプト・クフ王のピラミッドの中心部に未知の巨大空間を発見するなど、次世代技術として注目されています。

女子高校生チームの挑戦に拍手喝采!



日本の女子高校生チーム「Sakura Particles」が、世界最高峰の素粒子物理学研究機関CERNでの実験に挑むというニュースに、感動と期待で胸がいっぱいになりました。

彼女たちは、高校生の枠を超えた高い専門性と探究心で、自作の宇宙線イメージング検出器を開発し、国際的な舞台で認められました。

この挑戦は、科学分野における女性活躍の促進にも大きく貢献すると確信しています。

将来、彼女たちが科学界を牽引する存在になることを期待しています。

また、加速キッチン合同会社のサポートも素晴らしいと感じます。

自宅で宇宙線測定ができる環境を提供したり、大学生メンターによるオンライン指導を行うなど、中高生の科学探究活動を積極的に支援している点が素晴らしいです。

加速キッチンのような取り組みが、未来の科学者を育む上で欠かせない存在であることを証明しています。

Sakura Particlesの挑戦は、私たちに科学の楽しさ、探求心の大切さを教えてくれます。

彼女たちの活躍を心から応援し、今後の研究成果に期待しています。

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