旭化成とAquafil社の新しい協業
旭化成株式会社が、イタリアのAquafil S.p.A.との間で新たな覚書を締結し、3Dプリンター用の樹脂材料を共同で開発することになりました。この取り組みでは、Aquafilが提供するケミカルリサイクルポリアミド6(ECONYL®)と、旭化成が独自に開発したセルロースナノファイバー(CNF)を組み合わせた新しい素材が焦点となります。環境に優しい素材の開発により、自動車や航空宇宙など、幅広い産業への応用が期待されています。
ケミカルリサイクルPA6「ECONYL®」とは?
AquafilのECONYL®は、廃ポリアミドを原料として製造され、漁網やカーペットなどの使用済み資材から再生された取り組みが特徴です。この素材は、モノマーに解重合されてから再度重合されることで、新しいポリマーとして再生されます。これにより、環境への負荷を軽減しつつ、新たな価値を生み出すことが可能になります。
新たな樹脂材料の特性
当社が開発を進めている樹脂材料は、CNFをベースにECONYL®を組み合わせてコンパウンドしたもので、優れた造形性と強度を兼ね備えています。この新素材は特に、精密な造形精度や高い強度が求められる分野に適用されることが期待されており、環境への配慮との両立を図っています。
展示会情報
当社の開発品は、2024年のさまざまな展示会に出展予定です。例えば、10月にはドイツ・フリードリッヒスハーフェンで開催されるFakumaや、日本・幕張メッセでのサステナブルマテリアル展、さらに11月にはフランクフルト国際見本市で行われるFormnextなどが挙げられます。これらの場で、最新の技術や素材についての情報を提供し、業界関係者とのネットワークを広げていくことが期待されています。
サステナブルな未来を目指して
旭化成は、天然資源由来のCNFとECONYL®を組み合わせたモノづくりにより、市場ニーズに応じたサステナブルな価値を提供する方針です。2025年からは、欧州や米国、日本市場への先行提供を計画しており、持続可能な社会の実現に向けた一歩を踏み出すことを目指しています。
この新しい取り組みにより、環境に配慮した素材の需要が高まる中、旭化成はさらなるイノベーションを追求していくとともに、持続可能な未来への貢献を続けていくことでしょう。