トプコンと大和ハウス工業が目指すデジタル施工の未来
概要
株式会社トプコンと大和ハウス工業株式会社は、2025年10月23日に竣工したトプコン山形の新工場の建設において、BIM(Building Information Modeling)とデジタル施工技術を積極的に活用しています。この取り組みは作業の効率化と生産性の向上を実現し、デジタルコンストラクションの新スタンダードを築く試みとなっています。
BIMの導入による生産性向上
両社の協力は2019年から始まりました。最初のプロジェクトとなったのは、トプコンの製造子会社であるトプコンオプトネクサスの工場建設でした。この工事では、敷地測量や基礎工事の各工程でBIMを活用し、デジタル測量機器やICT自動化施工技術を導入しました。その結果、現場作業が大幅に省力化され、生産性が向上したことが実証されました。
デジタルコンストラクションの実現
2020年にはデジタルコンストラクションの基本合意書を締結。トプコンは鉄骨建方をサポートするスマートフォンアプリ「楽直」を開発し、大和ハウス工業は施工現場での測量作業の省力化に努めています。これにより、全国の施工現場でトプコンの機器が利用され、デジタルトランスフォーメーション(DX)が進んでいます。
新工場の工事での具体的な成果
最近完成したトプコン山形の工場では、BIMの活用は設計段階から施工フェーズにまで広がり、施工現場での計画ミスや是正工事が減少。現場担当者からは「作業の進捗がすぐにわかるので、次の施工の判断が早くできる」といった声も聞かれています。
特に、墨出し作業ではBIMデータとレイアウトナビゲーターの組み合わせにより、生産性がなんと20%向上しました。これにより、職人の手作業からの脱却とプロセスの効率化が実現しています。
未来に向けての展望
今後、両社は維持管理フェーズにおけるDX化も進め、建物のライフサイクル全体をサポートする新しいスタンダードとしてデジタルコンストラクションを定着させる目標を掲げています。
各社の企業概要
株式会社トプコン
- - 代表者: 江藤 隆志
- - 設立: 1932年
- - 資本金: 168億9100万円
- - 売上高: 2160億円
- - 従業員数: 5327名
大和ハウス工業株式会社
- - 代表者: 大友 浩嗣
- - 創業: 1955年
- - 資本金: 1626億2800万円
- - 売上高: 5434億8000万円
- - 従業員数: 50390名
両社はそれぞれの専門知識と技術を融合させることで、未来の建設現場における新しい形を築いていくことでしょう。デジタル施工技術が進化することで、今後の建設業界の変化を期待せざるを得ません。