医療的ケア児の毎日を楽しくするために
日本山村硝子株式会社が、疾患や障がいを持つ子どもたちの支援を目的としたプロジェクトを始めました。これは、同社が運営する「ファミケア」との連携によるもので、その名も「食事や投薬時のお困りごと」を解決する取り組みです。
プロジェクトの背景
昨今、小児医療の技術が進展し、医療的ケア児と呼ばれる子どもたちが増加しています。現在、日本には約2万人の医療的ケア児がいるとされ、主に高度な医療を受けた結果、日常的に医療的ケアを必要とする家庭が増えている状況です。
これらの子どもたちは、長期入院の後、自宅での医療的ケアへ移行しますが、その際、医療従事者の指導の下、家族が医療的ケアを担うことが求められます。そのため、家庭での食事や投薬に関する具体的な悩みも増えており、それを解決する製品やサービスの必要性が高まっています。
日本山村硝子の取り組み
日本山村硝子は、医療や介護の現場で使用される製品の開発を行っています。現在、共に製品を開発した医療機関と協力し、食事の支援に役立つ「ぴったりトロミがつくカップ」や、シロップ剤を正確に計量できる「シロップぴったりシロピィ」を提供しています。これらの製品は、嚥下や逆流防止、投薬の正確性を高めることを目指しています。
具体的には、ファミケアの情報サイトを通じて、疾患や障がいを持つ子どもたちの家族の声を聴き、彼らの課題を深く理解する取り組みを始めています。これにより、必要とされる製品やサービスを改良し、開発に繋げていく意向です。
アンケート調査の実施
本プロジェクトでは、公式のファミケアサイトで「食事とお薬の困りごとに関するアンケート」を実施しています。この調査は、疾患や障がいのある子どもを育てる家族を対象に行われ、約3〜5分で回答可能な内容です。また、対話を促進するために、食事支援が必要な子どもを持つ家庭同士が集まるコミュニティ「スナック都ろ美」とも連携しています。
このように積極的に意見を収集し、ニーズを実際の製品開発に活かす姿勢は、非常に重要な取り組みと言えるでしょう。
ファミケアの理念
ファミケアは、疾患・障がいを持つ子どもたちとその家族の生活をより楽しいものにすることを目的に設立されました。家族同士の相談を促進するアプリやポータルサイトを提供し、全国の家族の交流の場を作っています。特に、疾患や障がいの特性に応じた商品やサービスを提供することに焦点を当て、ITを活用した解決策を模索しています。
今後の展望
今回のアンケートを通じて、得られたデータを基に、新たな製品の開発が進められる予定です。日本山村硝子とファミケアが手を組むことで、疾患・障がいを持つ子どもたちとその家族にとって希望の光となる製品が生み出されることを期待しています。
今後の進捗に注目が集まっています。大切な子どもたちの未来を明るく照らすため、これからも多くの企業や団体と協力し合いながら改善を続けていく姿勢が求められています。これらの取り組みは、疾患・障がいを持つ子どもたちの家庭にとって、非常に意味のある道筋となるでしょう。