ダイバースファームが培養肉開発の新たな資金調達を開始
大阪に本拠を置くダイバースファーム株式会社が、イークラウド株式会社を通じて株式投資型クラウドファンディングを開始しました。この資金調達は、培養肉の量産体制を整えるために行われるもので、2022年4月22日から募集が始まります。
培養肉の未来と市場の可能性
培養肉とは、家畜の細胞を培養して製造される食肉のことです。この技術は世界中で進化を遂げており、AT Kearnyの調査によると、2040年にはその市場が約70兆円に達する見込みです。ダイバースファームは、ミシュラン星を8年連続獲得した日本料理店「雲鶴」と医療ベンチャー企業である「ティシューバイネット株式会社」が共同で設立した企業です。その目的は、再生医療の技術を活用し、本格的な培養肉の開発を進めることにあります。
クラウドファンディングの詳細
このクラウドファンディングでは、目標額は1,494万9千円、最上限は9,900万円と設定されています。資金の用途は、研究開発、設備投資、人件費に使用される予定です。株式投資型クラウドファンディングは、近年投資家の投資機会を広げる仕組みとして注目されています。これまでのところ、非上場のベンチャー企業への個人投資は限られていましたが、この仕組みにより個人投資家もその乗り込む機会を得られるのです。
食料供給の課題へ立ち向かう
世界的に増大する食料需要やそれにともなう供給の不安定さに対する危機感から、この培養肉開発には重要性があります。「雲鶴」のように質の高い食材が求められる料理店にとって、優れた食材は経営の生命線です。このような背景を踏まえ、ダイバースファームでは、細胞を融合させ大型の細胞ブロックを生成する技術により、この食料供給の課題に立ち向かうことを目指しています。
安全性と持続可能なモデル
私たちの開発手法では、既存の畜産業とも密接に連携し、持続可能なビジネスモデルを追求しています。培養肉の生産における原料となる細胞は、従来の畜産から供給されます。この連携により、畜産業への新たな価値提供が期待されています。また、培養肉の製造においては、遺伝子操作技術など安全性が確立していない方法は用いず、食料としての認知がある安全な材料のみを使用する方針です。
未来に向けた取り組み
残念ながら現在、日本において培養肉はまだ正式に認可されていません。そのため、関係各機関とルール作りを行いながら、一日でも早く市場に提供できるよう開発を進めている状況です。詳しい情報は、イークラウドの募集ページ(
こちら)をご覧ください。
会社概要
ダイバースファーム株式会社は、大阪市北区に本社を構え、代表取締役は大野次郎氏です。2020年に設立された同社は、培養肉の開発・製造・販売を手掛ける企業であり、本格的な食材開発に注力しています。
今後の展開にぜひご注目ください。