地方に根ざした飲食の新星、香川県で誕生する古民家再生プロジェクト
新型コロナウィルスの影響により、都市から地方への移行が加速する中、香川県三豊市で新たな飲食店「焼き鳥・醤ラーメン くうかい高瀬」が2023年4月26日にオープンします。このプロジェクトは、地域資源を生かしながら新しい価値を創造し、地元だけでなく国内外に香川県の魅力を発信することを目的としています。
プロジェクトの概要
「くうかい高瀬」は、築150年の古民家を改装した飲食店舗で、アプローチには愛媛県の菊間瓦を用いた美しい外観が顧客を迎えます。プロデュースを担当するのは東京都に本社を置く株式会社寶田堂、設計はDesignOffice USTET、店舗運営は香川県三豊市の株式会社リージョナル・イノベーション、物件管理は観音寺市の有限会社三栄産業がそれぞれ担当しています。
このプロジェクトでは、2つの主要なテーマがあります。1つ目は、空き家となった古民家を再生して飲食店「焼き鳥・醤ラーメン」として開業すること。2つ目は、地域の特産品である香川県小豆島の醤油を使用して、ユニークな「木桶仕込みの醤ラーメン」を創作することです。これにより、地域が誇る食材の新たな価値創造を目指します。
脱東京へ向けた決断
このプロジェクトに込められた背景には、約12年間東京都で飲食店を経営してきた経験があります。代表の関氏は、地元香川県に住む人々の「美味しい焼き鳥屋がない」という声を聞いたことから、地方における飲食のニーズの少なさに気づきました。東京とは異なり、地方では新たにオープンする店に対する期待感が高まり、一度できるとその店を大切に思う風土が存在します。このような地方の特徴を注視し、地元に貢献することこそが、自社が目指す方向性だと確信しました。
地域資源を活かしたブランド作り
「くうかい」ブランドは、「地域のヒカリ」という理念のもと、地域資源を利用した飲食店としてスタートしました。具体的には、古民家を再生することで地域の歴史を尊重し、また、焼き鳥のテイストを生かしながら、モダンな空間で快適に楽しめる設計が施されています。
6つのRをキーワードにしよう
このプロジェクトにおける事業は、以下の6つのRを遵守することを基本方針としています:
- - Region(地域・地方):都市ではなく地方を重視する。
- - Reuse(リユース):既存のものを再活用する。
- - Recycling(リサイクル):環境を意識した取り組み
- - Low rent(低い賃料):賃料を低く抑え、収益につなげる。
- - Respect(リスペクト):地域の要請に応える存在に。
- - Repeat(リピート):訪れた人が何度も来たくなる場所にする。
地元の方々や来訪者にとって、魅力的で支持される店になることを目指しています。
醤油ラーメンという新たな挑戦
「くうかい高瀬」では、焼き鳥のみならず、昼夜で異なるメニューが展開されます。昼は特製の醤ラーメンを、夜は居酒屋スタイルで焼き鳥を楽しむことができます。特にラーメンは、香川県小豆島の醤油を使用し、独自にブレンドしたスープと素材の旨味を堪能できる一杯に仕上げています。
今後の展望
また、コロナ以降の食文化が変わる中、オンライン販売やテイクアウトの強化を進めており、地方での拡大戦略も視野に入れています。今後は、香川県内でのフランチャイズ展開も計画中で、地域における飲食の魅力を広げていく予定です。
「焼き鳥・醤ラーメン くうかい高瀬」は、ただの飲食店ではなく、地域の未来を築くための一歩と言えるでしょう。新たな飲食体験を提供することで、香川県の活性化につなげたい考えです。