デザイン文化が未来を変える:Xデザイン学校講座レポート
2024年12月10日、株式会社プレイドのオフィスで「デザイン文化が世界を変える、地域と企業と文化」というタイトルの公開講座が行われました。このイベントはXデザイン学校の主催で、ハイブリッド形式で実施され、特にプレイドオフィスの芝生スペースがオフラインの会場に選ばれました。
講師紹介
講師陣には、デザインと文化に精通した専門家が揃いました。モバイルクルーズの安西洋之氏、Xデザイン研究所の山﨑和彦氏、東京科学大学の本條晴一郎氏、そしてプレイドの仁科奏が登壇し、様々な角度からデザイン文化の重要性について議論を深めました。
イタリアのデザイン文化
安西氏は「イタリアにおける多様なデザイン文化」というテーマで講演を行いました。特にイタリアの「テリトーリオ」という概念を掘り下げ、地域文化の重要性を強調しました。テリトーリオは、単なる行政区分を越えた文化や社会的アイデンティティを包含する広がりを持つ概念で、地域の特性を理解する上で欠かせないものです。
例として、トリノ南部にあるランゲ地域が紹介され、この場所はワイン生産地として知られ、ユネスコの世界遺産にも登録されています。特に地域内には多彩な企業が集積し、特筆すべき企業としてフェレロ社が挙げられました。
組織と文化
次に、山﨑氏が「デザイン文化と組織文化」というテーマで講演を行いました。デザインと文化の関係は非常に密接であり、特に組織におけるデザインの役割の重要性を訴えました。成功事例としてエストニアの電子政府の取り組みが紹介され、文化背景に基づいたデザインが市民に安心感を与えることが示されました。また、IBMでの経験から、デザイン思考の実装における課題についても触れました。
「創造的な思考をプロジェクトに活かすことが重要で、無理にデザイン思考を適用する必要はない」との見解を示し、組織改革におけるデザインの価値を強調しました。
デザイン文化と地域の発展
本條氏と仁科氏は「デザイン文化を考える」ディスカッションを通じて、デザイン文化が地域や組織の発展において果たす役割を探求しました。ディスカッションでは、デザイン文化が「組織や地域を育てる」ために必要な要素、長期的視点、そして多様性について意見が交わされました。
この講座は、多くの参加者がデザイン文化についての理解を深める機会となり、特に地域と企業の間の関係性が新たな価値を生むカギであることが示唆されました。
STUDIO ZEROは今後もXデザイン学校と連携し、デザイン文化の発展に寄与するための活動を続けていく予定です。これからの新たな動きに期待が高まります。