デロリアンの夢を実現!新会社エナウムが挑む廃棄物処理革命とSAF製造
2025年10月、千葉県木更津市に設立されたエナウム株式会社は、廃棄物から持続可能な航空燃料(SAF)を生成する全く新しいビジネスモデルを提案しました。これは、25年にわたる研究開発の成果であり、株式会社マイクロ・エナジーのWTE(Waste to Energy)技術を基盤にしています。この技術により、廃棄物を分別することなく混合して処理でき、さまざまな物質からクリーンなエネルギーを生み出すことが可能になります。
1. 廃棄物問題と脱炭素の時代
日本は現在、廃棄物処理に関して多くの課題に直面しています。特に、2030年代には太陽光パネルの大量廃棄が見込まれ、毎年80万トンもの処理が必要になります。また、災害時に発生する瓦礫や、下水処理場が抱える問題も深刻です。従来の焼却処理だけではこれらの問題に対処できず、革新的な解決策が求められています。
さらに、航空業界では2050年のカーボンニュートラル達成に向けて、SAFの需要が急増しています。国際航空運送協会(IATA)は、2030年までに航空燃料の10%をSAFにする目標を掲げていますが、日本はその製造体制で遅れをとっています。
2. エナウムのWTE技術の仕組み
エナウムのWTE技術は、以下の5つの革新的な価値を提供します。
1.
分別不要の混合投入処理
廃棄物は、廃プラスチックから都市ゴミ、災害瓦礫まで、分別せずに混合して処理できます。このアプローチにより、手間とコストを大幅に削減します。
2.
環境に優しい無害化処理
高温での無酸素環境下でのガス化により、ダイオキシンなどの有害物質を排出しません。このシステムは安全性を満たし、環境基準以下のダイオキシン濃度を実証しています。
3.
SAF製造に最適なガス組成
世界最高水準の水素濃度60%、CO濃度30%による理想的なガスを生成し、高品質なSAFの製造が可能です。長時間にわたる安定した運転が特徴です。
4.
小型・オンサイト処理の実現
40フィートコンテナサイズのシステムによって、廃棄物発生現場での処理が実現します。これにより移動コストを削減し、地域内でのエネルギー供給も可能です。
5.
高効率エネルギー変換
10トンの都市ゴミから、11,000Nm³の合成ガスを生成し、10.6MWhの電力を生み出すことができます。これは490世帯分の1日の電力に相当します。
3. 社会貢献と経済効果
エナウムの技術が特に注目されるのは、社会的課題に対する解決策を提供する点です。例えば、太陽光パネルのリサイクルや、災害瓦礫の迅速処理、下水処理場での汚泥処理の改善など、地域の課題に対処することに貢献します。また、廃棄物処理による温室効果ガスの削減がカーボンクレジットとして評価され、経済的な利益を上げる見込みもあります。
4. 今後の展望
エナウムは2025年度からモデルケースを構築し、2026年には全国への普及を目指します。2030年には、日本全体で50箇所以上のシステムを導入し、SAF製造プラントも稼働させる計画です。また、海外展開も視野に入れています。
5. 代表取締役のメッセージ
エナウム株式会社の代表取締役CEOである早川昇氏は、「私たちは廃棄物からクリーンなエネルギーを生み出す夢の技術を実現し、社会のインフラとしての役割を果たすことを目指しています。」と述べています。これにより、日本の脱炭素化と持続可能な社会の実現に向け、全力で取り組んでいく所存です。
会社概要
- - 社名: エナウム株式会社
- - 設立: 2025年10月16日
- - 本社所在地: 千葉県木更津市八幡台4-4-7
- - 代表者: 早川 昇
- - 事業内容: 廃棄物ガス化システムの開発・販売、SAF製造
- - ウェブサイト: エナウム公式サイト