つくば市が実施する子どもMaaSサービスの実証実験
茨城県つくば市が、子どもを対象とした新しい移動支援サービス「こどもMaaS」の実証実験を開始することが発表されました。これは、2024年8月31日付けで、つくば市、東海クラリオン株式会社、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が共同で締結した協定に基づくものです。この実証実験は、特に子どもの安全な移動を支援することを目的としており、地域社会における交通サービスの新たな可能性を探るものです。
実証実験は、2024年9月30日から10月9日まで、つくばセンター地区において行われる予定です。具体的には、東海クラリオンが開発した低速自動運転モビリティ「YADOCAR-iドライブ」を使用し、公園や行楽スポットといった公共交通機関から距離の離れた場所を結ぶ新しい移動手段を提供します。このサービスは、子どもが単独で習い事や勉強塾に移動できる自立した移動手段としても期待されています。
背景と目的
つくば市は、近年「スーパーシティ型国家戦略特別区域」に指定され、地域住民のつながりをもとに、新しい技術とサービスを施策として社会に実装することを目指しています。一環として、子育て世代を支援するための施策にも力を入れており、特にこどもMaaSサービスの実現を進めています。これにより、保護者なしでも公園や科学館といった施設に足を運ぶことが可能になる他、子ども自身が楽しめる安全な移動手段の提供を目指しています。
JAXAとの連携
また、JAXAとの連携により、衛星測位技術を活用した「後のせ自動運転システム」を実装することにより、さらなる技術的な向上を図っています。このシステムにより、高精度な測位を実現し、子どもたちの移動の信頼性を高めることが期待されています。
実証実験の仕組み
実際の実証実験は、つくばセンター地区のペデストリアンデッキにおいて行われます。YADOCAR-iドライブはレベル2の自動運転技術を用いて子どもを安全に移送します。同時に、JAXAが研究開発しているセンチメートル級測位補強信号「MADOCA-PPP」を適用し、測位精度の向上とその高速化を実証する予定です。
各社の役割
このプロジェクトでは、つくば市が全体の企画と進捗の管理を行い、東海クラリオンはYADOCAR-iドライブの運用を担当します。一方、JAXAは高精度測位技術の提供を行い、三者三様の専門性を生かした進行が求められます。
期待される成果
この実証実験が成功すれば、つくば市は子育てに優しい都市としての魅力を一層高めることができるでしょう。また、同時に地域社会全体の交通インフラの充実につながることが期待されます。未来の移動手段として、子どもたちの自主性を尊重し、安全で楽しい移動体験の提供を目指すこの取り組みは、関係者や地域住民にとっても大きな関心を集めています。今後の進展に注目が集まります。