2026年4月、物価高倒産が過去最多の108件に達しました。これは前年同月と比較して5割増の数字であり、単月での発生件数としては、集計を開始した2018年以降で最多となります。この異常な増加は、仕入れ価格の上昇と企業間での値上げ交渉の難しさが原因です。
特に「原材料」による倒産は63件に達し、全体の58.3%を占めました。昨年同月には30件、42.3%だったことからも、その増加がいかに深刻であるかがわかります。また、「人件費」や「エネルギー」関連の要因も影響を与えており、それぞれ24件、16件となりました。
業種別に見てみると、特に「建設業」が目立ち、33件(全体の30.6%)の倒産が発生しました。これは前年同月に比べて約8割増加しており、建設業における物価高倒産の原因としては資材価格の高騰が挙げられ、その内訳では鋼材、木材、コンクリートが特に多かったのが特徴です。
また、単なる資材費の高騰だけでなく、木造建築に関する専門技能を持つ若手職人の不足と高齢職人の引退が重なり、現場の人手不足が影響を及ぼしています。これにより外注費も高騰し、人件費の増加がさらに悪化している様子が見受けられます。
さらに、2026年5月以降には「石油危機」による倒産のリスクが懸念されています。中東の情勢悪化により、原油不足やナフサ不足が深刻化しており、実際に物価高倒産にはつながっていないものの、今後の動向によっては運輸業や建設業、製造業にとって特に大きな影響を及ぼす可能性があります。
このような状況下で、企業は価格の転嫁が難しい中、どのように収益を維持していくのかが大きな課題となっています。物価高による影響が今後も続くことが予想され、また新たな倒産の発生が見込まれますので、各業界の動向を注視する必要があります。
物価高倒産の急増は、単なる経済の問題ではなく、私たちの生活や多くの業界の生き残りにとって重大な影響を及ぼす懸念が払拭できません。今後、政府や企業はどのように対応していくのか、また新たな時代のビジネスモデルが求められるようになるでしょう。