ひまりのすてき時間割
2021-11-15 15:26:59
ADHDの特性を描いた新作『ひまりのすてき時間割』が心に響く理由
新作小説『ひまりのすてき時間割』が語る世界
現役の小児科医が描く新たな創作物語『ひまりのすてき時間割』は、ADHD(注意欠陥多動性障害)や自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持つ子どもとの新たな出会いを提供してくれます。著者の井嶋敦子さん自身もADHDとASDの特性を持っており、その経験が作品に生かされています。
ひまりの物語
物語の中心となるのは、小学6年生の橋本ひまり。彼女は「最強のADHD」と評価されており、その独特の視点や感情の波が、しなやかな文体で語られています。ひまりが自分自身の時間割をつくることは、単に日常の整理だけでなく、自分を見つめ直し、受け入れるための重要なステップです。行動の記録としても、未来への道しるべとしても機能しています。
この作品の中で、ひまりは自分の心の動きをまずはありのままに受け入れ、その中で反省し成長しようとします。読者としては、その過程に触れることで、ひまりの心の旅を一緒に体感することができます。
深い人間関係の模索
また、ひまりの物語は彼女と周囲の人々との関わりにも焦点を当てています。特に真由という友だちの存在が、彼女にとってどれだけ貴重であるかを描写しています。周囲の理解が得られない時も、こうした友だちとの関係は、ひまりに安らぎと支持を与えるものとなります。
日常の中で、彼女の特性にどう寄り添うのか、周りの人々がその行動をどれだけ受け入れられるのか、読者はこの物語を通じて考えさせられます。落ち着きがなくとも、集中している時の様子は、ただの行動の異常ではなく、その子自身の特性であると理解し、受け入れることの大切さを伝えています。
より良い理解を求めて
井嶋さんのあとがきには、ADHDやASDという特性が必ずしも障がいではなく、それぞれの個性であるというメッセージが記されています。「もし困っていなければ治療の必要はない」との言葉は、周囲の人々や本人の理解を促す力強いメッセージです。これまでの理解を超え、お互いの違いを尊重し合うことがより良い社会の形成に繋がるでしょう。
ひまりの物語は、ただのファンタジーではなく、現実に生きる私たちに、より良い関係性や理解を広めるためのメッセージをくれる作品です。これが『ひまりのすてき時間割』の魅力であり、その理由でもあるのです。
書籍情報
製本の詳細情報としては、著者は井嶋敦子さん。彼女は新潟県出身であり、小児科医としての経験をもとにこの作品が生まれました。イラストは丸山ゆきさんが手がけ、読者に親しみやすいビジュアルを提供します。定価は本体1300円で、2021年11月15日に発売されました。さらなる情報は、童心社のホームページでも確認できます。
この新作を通じて、自分や周囲の特性を理解し、受け入れるきっかけを見つけられることを願ってやみません。読者の心に新たな気づきをもたらすこと間違いなしの一冊です。
会社情報
- 会社名
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株式会社 童心社
- 住所
- 東京都文京区千石4-6-6
- 電話番号
-
03-5976-4181