オラクルが発表した新しいクラウドネットワーキング機能の魅力とは
オラクルが新しいクラウドネットワーキング機能を発表
2025年10月14日、オラクル・コーポレーションは、ラスベガスで開催された「Oracle AI World」において、クラウドインフラ向けの新たなネットワーキング機能を発表しました。この機能強化は、「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)」のネットワークソフトウェア及びアーキテクチャスイートである「Oracle Acceleron」に追加されるもので、すべてのワークロードに向けて、さらなる効率性とパフォーマンスを実現します。
新たに追加されたネットワーキング機能により、ユーザーはこれまで以上に迅速かつコスト効率よくタスクを実行できるようになりました。10年以上のクラウドネットワーキング技術の進化をもとに開発された「Oracle Acceleron」は、データの転送方法を根本的に見直し、コストを抑えつつ、最高水準のパフォーマンスとセキュリティを提供しています。
「Oracle Acceleron」の特長詳細
「Oracle Acceleron」は、専用のネットワークファブリックを用いることで、トラフィックを明確に分離し、必要に応じて複数のファブリックをサポートします。これにより、全てのスケールで安定した低レイテンシと高帯域幅の接続が可能になり、従来の3階層ネットワークを越えた最適なパフォーマンスを確保します。特に、「Oracle Exadata」やHPC作業、大規模なAI/MLクラスタといった高負荷なワークロードに対しても幅広くサポートします。
また、マルチプレーン・ネットワーキング技術を取り入れることで、ユーザーのNICを複数の独立したネットワークプレーンに接続し、トラブルが局所化されても全体のネットワークに影響を及ぼさない構造となっています。これにより、スループット向上とテールレイテンシの低下を実現し、タスクの進行がよりスムーズになります。
非仲介型設計による効率性とセキュリティの強化
さらに、非仲介型設計を導入することで不要な中間処理を排除し、データフローを直接的に簡素化。トラフィックは最適な経路を選ぶため、ボトルネックが小さくなります。これにより、安定した通信が可能になり、データ送信の滞りを防ぎます。
コンバージドNICの分野では、SmartNICをユーザー側とプロバイダ側に分けることによって、スループットを向上させつつコストを削減します。これにより、ストレージ性能が飛躍的に向上し、暗号化速度も最大限に引き出されます。
セキュリティと信頼性の向上
オラクルの新機能は、Zero-Trust Packet Routing (ZPR)技術を採用しています。この技術により、初期パケット段階での最小権限の適用が行われるため、クラウドワークロードのセキュリティが高まります。ネットワークトポロジに左右されないポリシー管理が可能となり、機密の高いリソースへのアクセスも確実に制御されます。
業界のリーダーたちも「Oracle Acceleron」の進化を評価しています。Arista NetworksのCTOであるKen Duda氏は、長年の協業を通じて得た知識を活かし、次世代のAIネットワークインフラに貢献できるとコメントしています。また、AMDのForrest Norrod氏も、AMD Pensando DPUを活用することで、更なる革新を期待していると述べています。
おわりに
オラクルが提供する新しいクラウドネットワーキング機能は、今後のワークロードの多様化に対応するための重要なステップです。効率性・スピード・セキュリティのトリプルメリットが実現されており、すべてのOCIユーザーがその恩恵を受けることが可能になります。これにより、より多くの企業が安心してクラウド技術を活用できるようになるでしょう。
会社情報
- 会社名
-
日本オラクル株式会社
- 住所
- 東京都港区北青山2-5-8オラクル青山センター
- 電話番号
-
03-6834-6666