トヨタ自動車が目指す資源循環型モノづくりの新たなスタンダード

トヨタ自動車の革新的な取り組み

2024年度のグッドデザイン・ベスト100に選ばれたトヨタ自動車の「Geological Design（ジオロジカルデザイン）」は、環境に配慮した新たなモノづくりのスタンダードを打ち立てる試みです。このプログラムは、トヨタ内の構造デザインスタジオの主導で進められています。

捨てるところがないモノづくりの実現

トヨタの構造デザインスタジオでは、大學孝一氏がテーマプロデューサーを務め、クルマづくりに新たな視点を持ち込んでいます。これまでの経済面や技術面の視点だけでなく、地球環境を考慮した「環境軸」という新しい概念を追加することで、「捨てるところがないモノづくり」を目指しています。

新しい車両開発のアプローチ

この取り組みでは、クルマの製造過程だけでなく、廃棄時のプロセスも重要視しています。具体的には、メインの素材選びから廃棄物の再利用、さらにはリサイクルが難しい廃材のアップサイクルにまで視野を広げています。

仲間づくりの重要性

また、特に注目したいのが「仲間づくり」です。トヨタは地域の工芸家やアーティストとのコラボレーションを通じて、廃材の新たな価値を創出する取り組みを進めています。このように、モノづくりの枠を超えて共創することで、次の命をはぐくむ活動が進行中です。

具体的なプロジェクト

具体的には、廃材を用いたアート作品や工芸品の製作が進行しており、既に多くの作品が完成しています。例えば、海馬ガラス工房による金属粉アートや、南部鉄器の製作に関する取り組みが評価されています。これらのプロジェクトは、トヨタ自動車が持つ膨大な廃棄物を活用し、新しい価値を生み出す試みとして注目されています。