組織文化を革新する「Team Forging」。WITの新たな挑戦と成果
2025年10月、株式会社WIT(東京都)は驚くべき一歩を踏み出しました。Aha Moment Innovationが開発した組織開発向けシリアスゲーム「Team Forging」の体験セッションを行ったのです。このセッションを機に、WITは従来の働き方から脱却し、“情報共有と相互補完”を重視する組織文化へと変わり始めています。今回は、この革新の背景や成果について、同社の中核メンバーで、研修の発案者である仲嶺都子氏にインタビューしました。
背景:自由で強い個が集まる会社——その内に秘めた“弱さ”
WITは少数精鋭のITコンサルティング企業で、各メンバーは大きな裁量を持っています。ただ、その一方で、組織としての結束力が乏しく、自律した個々のメンバーがバラバラに活動してしまう状況が常態化していました。仲嶺氏は「優秀なメンバーが揃っているのに、『WITに所属する意味は何か』と考えさせられる瞬間が多くありました」と語ります。
体験セッションの実施:「ただのゲーム」ではなかった
体験した「The Lotus」と「The Elephant」は、どちらも“協力しなければ成功できない”という特性がありました。
「初めて体験するほど、不安を煽るゲームでしたが、進むうちに自然と情報が共有され、協力する意識が生まれた」と仲嶺氏は振り返ります。セッションの終盤にメンバーに聞いたところ、「このゲーム、本当に面白かった!」という感想が返ってきました。
気づき:リーダーは1人ではなく“全員”
このゲームを通じての最大の学びは、リーダーシップは役職ではなく行動から生まれるということです。
「普段は遠慮しがちだったメンバーが、自分が声を上げなければ進まないと認識した瞬間がありました。遠慮や沈黙といった実態が可視化されることで、外部のファシリテーターからのフィードバックが生きたのです。」
このような内省が新たなリーダーシップの形を促進しました。
変化:体験後の“横のつながり”
セッション後、WITでは以下のような明確な変革が観察されました。
- - 会議が「報告」から「相談と協力」へとシフトした。
- - 個人主義から相互補完的なアプローチに変わった。
- - 社長自身が変革を実感し、再導入を承認したことも大きな進展です。「チームの雰囲気が変わった」と社長からの言葉が飛び出したのは驚きでした。
今後の展望:Team Forgingを定期化へ
WITは今後、組織計画において「Team Forging」を複数回取り入れることを検討しています。単なるイベントとして終わらせず、「安全に失敗し、学び、関係性を深める場」としての活用を目指しています。仲嶺氏は「ゲームを楽しむだけでなく、学びとして定着することが重要です。Team Forgingは我々に必要な“鏡”となりました」と締めくくりました。
会社概要
- - 社名:株式会社ウィット
- - 本社所在地:東京都中央区銀座2-8-9 木挽館銀座ビル7階
- - 代表取締役:寺田 有児
- - 設立:2007年
- - 事業内容:ITコンサルティング、ITアウトソーシング、システム開発、組織開発
- - URL: https://wit.sc/
Team Forging®について
- - 開発元:Aha Moment Innovation(シンガポール)
- - 内容:マルチプレイヤー型のシミュレーションゲーム
- - 特徴:Tuckmanチーム成長モデルや心理的安全性理論に基づいた設計
- - 分析機能:行動ログを活用した可視化・振り返りダッシュボード
- - 活用実績:Apple、TikTok、NUSなど10ヵ国以上
お問い合わせ
- - Aha Moment Innovation(日本窓口:gbl,inc)
担当:首藤 大介
Email:
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