STマイクロエレクトロニクスは、最新技術のSTripFET F8を用いた新型の40VパワーMOSFETを発表しました。この製品は、標準レベルのしきい値電圧(VGSth)を特徴とし、高度な技術によるトレンチゲートデザインを採用しています。その結果、ノイズ耐性が向上し、ロジックレベル制御が不要なアプリケーションにも対応できるようになりました。
新たに登場した産業グレード「STL300N4F8」と、車載グレード「STL305N4F8AG」は、共に300A以上のドレイン定格電流を持ち、最大オン抵抗(RDS(on))が1mΩと非常に低いのが特長です。この高い電力効率により、高出力の電子機器でも卓越したパフォーマンスを提供します。また、動的な高速性能を実現し、65nCの総ゲート電荷及び低いデバイス静電容量(Ciss、Crss)により、高頻度のスイッチング環境においても電力損失を最小限に抑えています。
MOSFETには低い順方向電圧降下と高速逆回復特性を持つボディダイオードが搭載されており、これにより電力効率とデバイスの信頼性を大幅に向上させています。これらの製品はコードレス家電や産業機器など多様な分野の電源、コンバータ、モータ駆動の設計に広く応用できます。
STのSTripFET F8技術により、バッテリー1回の充電での駆動時間が延長されるほか、高出力の動作を継続しても熱損失を低減できるため、熱管理が容易になります。これによってデバイスの小型化と原材料コストの削減が実現されます。特に車載グレードのMOSFETは、モータ駆動やDC-DCコンバータなど、様々な車載アプリケーションに最適です。
具体的には、パワーウィンドウやシート位置調整、サンルーフの開閉など、車両の多くの電子システムに利用されます。また、アクティブサスペンションや電動パワーステアリング、さらには排出量削減のための制御システムなどにも対応可能です。
STの技術は、広範な安全動作領域(SOA)が実現されており、大電力レベルにおいてもドレイン・ソース間電圧(VDS)が大幅に低下することが特徴です。最大接合部動作温度も175℃と高く、厳しい環境に対しても信頼性を保ちやすい設計となっています。
さらに、STripFET F8技術はダイの小型化が可能であり、非常に低オン抵抗のデバイスをコンパクトなパッケージに封入することができ、競争力のある価格で市場に提供されます。両製品は小型のPowerFLAT 5x6パッケージで提供されるほか、車載システム向けにはウェッタブル・フランク構造の多様なパッケージオプションも用意されています。
STL300N4F8は現在入手可能であり、1000個の購入時の単価は約0.8370ドルです。また、車載グレードのSTL305N4F8AGの単価は、同じく1000個の購入時に約0.9730ドルです。
詳しい情報については、STマイクロエレクトロニクスの公式ウェブサイトをご覧いただけます。
STマイクロエレクトロニクスは、50,000名を超えるスタッフを擁し、最先端の製造設備と包括的なサプライ・チェーンを持つ、グローバルな半導体メーカーです。約20万社の顧客や数千のパートナーと協力し、環境に優しい社会の実現と顧客のビジネスを支える革新的な半導体ソリューションの開発に力を入れています。また、2027年までのカーボン・ニュートラルの実現を目指していることも特徴です。詳細は公式サイトをチェックしてください。