リジェネソームとGood Hero Therapeuticsが資本業務提携を結ぶ意義とは

最近、リジェネソーム株式会社は子会社であるスペースシードホールディングスと共に、Good Hero Therapeutics（GHT）との資本業務提携に関する契約を発表しました。この提携により、両社は資本参加と技術基盤の融合を目指し、共同研究を進めることとなります。本記事では、この提携の背景や両社の技術について、そして今後の展望に迫ります。

提携に至った背景

リジェネソームは、発酵技術と長寿に関する研究を促進する「Fermentation and Longevity Fund」プログラムを推進中です。このファンドは、日本独自の技術を活かし、健康寿命の延伸を目指した技術やビジネスの創出を目的としています。GHTは、受容体標的化腫瘍溶解性ヘルペスウイルス（oHSV）の開発を行い、遺伝子治療分野での革新的な基盤技術を持っています。

GHTの技術について

GHTが有するいくつかの先進技術には以下のようなものがあります。
1. 無毒化HSVベクターシステム - ヘルペスウイルスを完全に無毒化し、特定の細胞にのみ遺伝子を導入する技術を開発しています。
2. 腫瘍溶解性ウイルス療法 - GHTが開発した強化型の腫瘍溶解性HSVは、がん細胞に特異的に感染・増殖し、従来の治療法よりも高い抗腫瘍効果を示します。
3. AAVベクター生産性向上技術 - アデノ随伴ウイルスの製造コストを削減し、より多くの患者が治療を受けられるようにする技術の開発に成功しました。

これらの技術は、遺伝子治療の分野において非常に重要な役割を果たします。

提携の目的と今後の展望

今回の資本業務提携は、リジェネソームの特殊なナノ粒子技術とGHTの遺伝子治療技術を融合させ、新たな医療ソリューションを創出することを目指しています。加齢に伴って人体の遺伝子の働きが変化する中で、そのパターンを制御する方法についても開発が進められる見込みです。

GHTの代表取締役、内海貴夫氏は、「本提携を通じて新たな医療ソリューションの創出に向けた取り組みができることを楽しみにしています」とコメントしています。また、リジェネソームの佐久間社長も、「この提携を通じて、先端医療の実現に向けて貢献したい」と述べています。