中津市が誇る魅力を発信する「Glocally HOTEL TATEYA」の開業

中津市が新たな魅力を発信する

大分県中津市に、地域の魅力を発信し、観光の拠点として機能する新しいホテル「Glocally HOTEL TATEYA」が誕生しました。このホテルを手がけたのは、中嶋佳奈恵さん。彼女は、以前に名だたるリゾート施設での勤務経験を持ち、9年前にUターンし家業の建設会社を手伝っています。子どもを自然に囲まれた地元で育てたいという思いから、中津の魅力を伝える拠点を作ることを決意した彼女が立ち上げたTATEYAプロジェクトについてご紹介します。

中津市の課題と魅力

中津市は「唐揚げの町」として有名で、観光名所である中津城をはじめ、数多くの観光地があります。しかし、観光客は多いのに、そのうち宿泊者はわずか23万人と全体の6.7%にとどまっています。これは、福岡県との近接性や交通の便利さから「通過点」として扱われていることが一因とされています。

中嶋さんは、地域の魅力を発信するイベントや物販を行うことで、観光客を中津に滞在させるための“ソーシャルスペース”を創出したいと考えています。

中嶋さんの青写真

中嶋さんは、建設業は住宅の提供だけでなく、「おもてなしの心」が求められると考えています。それを体現するために、彼女自身の経験を活かし、中津での潜在的な魅力を引き出す場所を作ることに取り組んでいます。これにより、地域の事業者との協力や交流を促進し、多くの人に中津の良さを再発見してもらえる空間にしたいと願っています。

Glocally HOTEL TATEYAの概要

このホテルは、大分県中津市中殿町に位置し、全6室の客室を備えています。客室はツインルームが3室、ダブルルームが2室、ファミリールームが1室です。また、カフェを併設し、Wi-Fiやプロジェクターも完備しており、地域の食材を使ったメニューにも力を入れています。

また、JR日豊本線の中津駅からは徒歩5分の距離にあり、アクセスも良好です。これらの特長によって、より多くの観光客や地元住民が利用できる、交流の場を提供することを目指しています。

今後の展望と具体的な取り組み

TATEYAプロジェクトは既に多くの人々とのつながりを築いており、今後の取り組みとして、宿泊者が中津を好きになれるような体験の提供や、地元事業者とのコラボによるイベントを重視しています。また、2024年には上棟式を行い、マルシェの開催などで地域の活性化にも寄与する予定です。

中嶋さんが描く10年間に渡る夢のリストには、宿泊者と地元住民の交流促進や地域の課題解決のためのアイデア共有の場の創出などが含まれています。地域内外の人々とのつながりを深め、新たな価値を生み出すことこそが、このプロジェクトの真髄です。