「メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない~1926木本事件~」が、第44回「地方の時代」映像祭でグランプリを受賞しました。このドキュメンタリー番組は、1926年、三重県木本町(現在の熊野市)で起きた朝鮮人虐殺事件「木本事件」を取り上げています。
事件は、木本トンネルの工事中に発生しました。朝鮮人労働者が、武装した地元住民から襲撃を受け、殺害されたという悲惨な出来事です。この事件は、その後ほとんど語られることなく、長い間忘れられていました。
番組では、事件の風化が進む中で、事件の記憶を後世に伝えようと活動する人々を取材しました。事件の真相に迫るだけでなく、差別や偏見のない社会の実現に向けて、現代社会への警鐘を鳴らしています。
審査では、「地方でほとんど忘れられている事件を徹底的に取材し、隠れていた事実に新しい光を当てた完成度の高い作品」と評価されました。メ~テレが「地方の時代」映像祭でグランプリを受賞したのは、これが初めてです。
ディレクターの岡本祥一氏は、「地元の放送局として、このような歴史と丁寧に向き合っていくことの重要性を再認識しました」とコメントしています。プロデューサーの村瀬史憲氏は、「この番組は、風媒社の劉永昇さん、歴史家の金靜美さんをはじめ、多くの方々の視座と調査があって実現したものです。軍拡が許容される時代になりつつあるいま、社会の中に潜む差別の源流を辿ることが、戦争の芽を摘む力になると信じています」と述べています。
「メ~テレドキュメント 掌で空は隠せない~1926木本事件~」は、メ~テレニュースYouTubeとLocipoで配信されています。ぜひ視聴して、歴史を学び、差別のない社会の実現に向けて考えてみてください。