能登半島地震からの復興と繊維業界の未来
2024年2月、東京ビッグサイトで開催される「第97回東京インターナショナルギフトショーLIFE×DESIGN」への出展が決定した石川県繊維協会は、令和6年1月1日に発生した能登半島地震により深刻な被害を受けた企業を支援し、復興への意志を示しています。今回の出展には、被災した企業を含む12社が参加し、それぞれの特色ある商品を披露します。
能登半島地震の影響
能登半島地震は、石川県に多くの課題をもたらしました。特に、繊維業界は大きな打撃を受け、代表的な企業である(株)中村編織工業、デザインオフィスYT、吉田司(株)が大きな損害を被りました。これらの企業は、今なお復旧作業に取り組んでいますが、それを乗り越えてギフトショーへの出展を決意したのです。
被害に遭った企業の状況
(株)中村編織工業
この企業は、かほく市にある自社工場において、地震による地盤の隆起と亀裂によって工場が傾くという深刻な被害を受けました。昭和23年から織ゴムや細幅繊維製品を手がけており、小ロットや短納期の製品にも対応しています。
デザインオフィスYT
中能登町の協力工場も大きな被害に見舞われました。天井の崩落や設備の損傷が発生し、工場内は混乱に陥っています。デザインオフィスYTは、サステナブルな材料を用いたファブリック作りに力を入れており、金沢の文化とライフスタイルに応じたモノづくりを行っています。
吉田司(株)
穴水市と珠洲市の協力工場においても、従業員の自宅が損壊し避難生活を余儀なくされています。吉田司はスポーツやメディカル関連のサポーターを製造・販売しており、さまざまな用途に対応した商品を展開しています。
石川県繊維協会の出展情報
出展企業は全部で12社で、それぞれが特色ある商品を出展します。被災の影響を受けた企業が集まり、復興に向けての希望を込めた商品の展示が行われます。詳しい企業情報や出展商品については、以下のリンクよりご覧いただけます。
展示会の概要
- - 日時: 2024年2月6日(火)~2月8日(木)
- - 場所: 東京ビッグサイト西展示棟 (〒135-0063 東京都江東区有明3-11-1)
- - ブースNo.: 西2-T19-03
石川県の繊維産業の歴史
石川県の繊維産業は、長い歴史を持ち、地域の重要な産業の一つです。約400年前から発展してきた加賀百万石の城下町の一環として、石川県は繊維業界において日本国内で重要な位置を占めています。特に合成繊維の生産においては、全国の約40%を占めているなど、地域の特性があります。
地域支援の取り組み
(一社)石川県繊維協会は、業界支援に向けて様々な取り組みを行っています。「人材育成」「販路開拓」「新技術・新商品の開発」といった三つの柱を中心に、地域の繊維業界の振興に貢献しています。たとえば、最近では炭素繊維の開発に取り組み、航空機産業への応用などの新たな可能性が広がっています。
これらの取り組みを通じて、石川県の繊維企業は存在感を増し続け、復興の道を歩んでいます。東京インターナショナルギフトショーは、その成果を広くアピールする絶好の機会です。今年も多くの訪問者がブースを訪れ、石川県の素晴らしい繊維製品に触れていただけることを期待しています。