教育現場に根付く『全文英訳万葉集』の広がりとその影響
2023年、神田外語グループ(東京都千代田区)は、福島県や千葉県の大学との官学連携協定を経て、日本の伝統的な古典文学『万葉集』を英訳した『全文英訳万葉集』を全国の教育機関や図書館へ贈呈するプロジェクトを開始しました。この試みは、教育現場からの反響が寄せられており、特に国語と英語の横断的な教材としての価値が高く評価されています。
特に、福島県や千葉県の教育機関からは、「想像以上の豪華な装丁に驚いた」「英訳古典文学を教材として活用したい」といった喜びの声が多数届けられています。中には、「大学時代の研究テーマが万葉集だったため、教員として新たな教材展開が可能になった」といった感謝の声もあり、教員たちの間での期待が高まっています。
既に図書館での展示をスタートした学校もあり、生徒たちが自由に手に取れる環境が整いつつあります。これに伴い、教科を横断する授業や探究活動への発展が期待されているとのことです。特に、留学生を受け入れている教育機関からは、「海外の生徒に日本文化を紹介するための教材として、また日本人学生にとっても、英語で古典文学がどのように紹介されるかを学ぶ貴重な機会になる」との批評が多く、国際理解教育の分野でも重要な役割を果たすことが期待されています。
社会貢献と教育への寄与
『全文英訳万葉集』は、日本の古典を英語という国際的な言語で紹介することで、文化理解を促進し、多言語環境での表現力を育むための教材となっています。この企画を通じて神田外語大学は、英語教育や国際交流の拡大に寄与することを目指しています。また、全国の教育機関から高く評価されていることを受け、今後はさらなる配布活動を強化し、より多くの学校や図書館に本書を届ける予定です。
『全文英訳万葉集』は、4516首からなる万葉集のすべてを英訳したもので、独特の5-7調のリズムで構成されています。同書は歴史的背景を持つ貴族や庶民の詩を外国人にも理解しやすく編集されており、世界初の全英訳版として注目されています。
このプロジェクトの背景には、故須賀照雄教授の「世界平和の実現には他文化の理解が不可欠であり、そのために万葉集のような日本の重要な文化遺産を広める必要がある」との思いがあります。令和に改元された際には、万葉集の一部が引用されたこともあり、この流れで『全文英訳万葉集』の一般公開が行われました。
申し込み方法
『全文英訳万葉集』を希望する方は、学校名、団体名、住所、電話番号を記載し、件名に「『全文英訳万葉集』希望」と書いてメールにて申し込むことができます。申し込みは先着順で受け付けており、費用は全て無料です。
詳細は、神田外語大学の公式メールアドレス(
[email protected])から申し込みできます。発送は同大学が行うため、学校の経費負担は発生しません。申し込みの期限は2025年9月末を予定しています。この機会に、ぜひ多くの教育機関で『全文英訳万葉集』を活用していただき、日本の古典文学を広める一助としていただければ幸いです。