8割以上のユーザーが重視する災害リスク情報と不動産会社の開示状況のズレ

災害リスク情報の重視と不動産会社の開示状況



最近、株式会社いえらぶGROUPが実施した調査によると、約8割のエンドユーザーが物件探しにおいて災害リスク情報、特に水害ハザードマップを重視していることが明らかになりました。この調査は、2025年の災害リスクへの関心が高まる中で行われ、不動産業界の情報開示の現状とその課題が浮き彫りになりました。

調査の背景



2025年には全国各地で地震や豪雨が相次ぎ、災害によるリスクが増加する見込みです。気候変動や都市構造の変化に伴い、被害の様相はより複雑化しています。特に2025年9月1日の「防災の日」には、社会全体で災害に対する意識を再確認する動きがあります。このような背景から、いえらぶGROUPはエンドユーザーと不動産会社に対して「災害リスク情報」に関する調査を実施しました。

調査結果の概要



調査の結果、エンドユーザーの80.4%が災害リスク情報を重視することが分かりました。具体的には、
  • - 「非常に重視する」: 31.2%
  • - 「ある程度気になる」: 44.2%

また、エンドユーザーは災害リスク情報を知ることで「検討しやすくなる」と回答した割合が54.3%に上りました。

一方で、不動産会社が情報を開示しているかという問いには、「必ず掲載している」のは13.4%に留まり、「問い合わせに応じて伝えている」や「ほとんど掲載しない」という回答がそれぞれ39.8%や38.7%と多く、不動産会社とエンドユーザーの間に大きな温度差が存在していることが分かります。

洪水リスクに対する関心



エンドユーザーが最も重視している災害リスク情報は、「洪水・浸水のリスク」で、これに対して76.9%が重要視すると回答しました。また、地震に関連する「地盤の揺れやすさ」は57.1%という結果でした。このような水害に関する情報の提供について、エンドユーザーは「物件情報で最初に確認したい」や「内見時に説明してほしい」という意見が多く、早期の情報提供が求められています。

不動産会社の信頼向上の可能性



不動産会社に対する調査では、約半数の49%が災害リスク情報の開示が信頼向上につながると感じている一方で、契約に影響が出ることを懸念する声も36%存在しました。このように、情報開示にはリスクと利益が共存している状況です。

いえらぶGROUPの意見



いえらぶGROUPの常務取締役である庭山健一氏は、調査結果を示しながら、エンドユーザーが洪水や浸水リスクを重視している一方で、不動産会社の情報開示が限定的であることを指摘しました。彼は、適切な情報提供が顧客の安心感や信頼につながる一方、開示方法やタイミングには注意が必要であると述べています。システムやプラットフォームの整備を通じて、不動産業界がエンドユーザーのニーズに応えられる体制を整えることが求められています。

まとめ



今回の調査結果は、エンドユーザーと不動産会社の間に存在する情報に対する温度差を明らかにしました。今後は、エンドユーザーが安心して住まいを選ぶために、災害リスク情報の開示を積極的に行うことが、不動産会社にとっても重要な課題となるでしょう。情報の透明性が高まることで、より良い住まい選びが可能となることを期待しています。

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