納品伝票の電子化でサプライチェーンを効率化する挑戦
日本の酒類・食品卸売業界において、伊藤忠食品株式会社と東急ストアは、納品伝票の電子化に向けたパイロット運用を行うことを発表しました。この取り組みは、2024年11月に実施され、サプライチェーン全体の効率改善を目指しています。
取り組みの背景
現代の物流やサプライチェーンでは、人手不足やコストの増加が大きな課題となっています。特に、納品伝票の扱いなどアナログな業務が多く、効率化が求められています。このため、伊藤忠食品と東急ストアは、日本パレットレンタル株式会社(JPR)と連携し、納品伝票の電子化を進めることにしました。
納品伝票電子化のパイロット運用
このプロジェクトは、東急ストアの東扇島流通センターで実施されます。期間は2024年11月12日から22日までで、協力企業には味の素、伊藤園、キッコーマン、ヤマサ醤油、UCC上島珈琲が参加しています。この取り組みは、以下のプロセスで進行します:
1.
納品データ作成: 出荷側が納品日前日に納品データを登録。
2.
入荷データ作成: 入荷側が納品車両の到着前に入荷データを作成。
3.
検品後の登録: 入荷商品の検品を行い、結果をシステムに登録。
4.
確認作業: 出荷側と入荷側で受領結果を確認。
この手法により、徐々に紙の使用を削減し、業務の効率化を図ります。
効果と成果
初期のパイロット運用では、以下のような効果が見込まれました:
- - 紙の発行作業を75%削減: 従来のアナログな納品伝票発行作業を大幅に減少。
- - 入荷データ作成業務を50%削減: プロセスの簡略化により、時間を短縮。
- - 受領書発行の不要化: 検品後に受領書を発行する必要がなく、迅速な対応が可能に。
- - ドライバー業務の効率化: 受領書を待つ必要がなくなり、物流の流れがスムーズになります。
これらの結果により、保管スペースや廃棄コストも削減され、全体的なコスト効率が改善されることが期待されています。
今後の展望
さらに、流通経済研究所とウイングアーク1stとの連携を通じて、複数のシステム間でのデータ共有を実現し、納品と受領のデータ連携を強化します。これにより、サプライチェーン全体の効率化が推進されるでしょう。
伊藤忠食品と東急ストアは、今後も物流面でのイノベーションを目指し、社会課題の解決に貢献していく考えです。この取り組みは、業界全体にも波及効果をもたらすと期待されています。今後の進展に注目が集まります。