高齢者福祉の未来を担う人材育成へ!日本老人福祉財団が京都光華女子大学と給付型奨学金制度を設立
高齢化社会が進む日本において、福祉人材の重要性はますます高まっています。しかし、介護福祉士を目指す学生の減少や教育機関における福祉関連学部の縮小など、課題も多く存在します。
この状況を改善するため、一般財団法人日本老人福祉財団は、京都光華女子大学と連携し、福祉人材育成を目的とした給付型奨学金制度を新たに設立しました。
日本老人福祉財団は、1973年の設立以来、高齢者向け介護付き有料老人ホーム「ゆうゆうの里」を全国7箇所で運営してきました。創設から50年が経ち、社会の高齢化は加速化し、福祉人材の不足は深刻化しています。
そこで、同財団は、将来を担う人材育成に貢献するため、長年協力関係を築いてきた京都光華女子大学と、給付型奨学金制度の設立に合意しました。
本奨学金は、京都光華女子大学看護福祉リハビリテーション学部・福祉リハビリテーション学科・社会福祉専攻の1年生、または健康科学部・医療福祉学科・社会福祉専攻の2年生、3年生を対象としており、大学卒業時に社会福祉士または卒業後に介護福祉士の資格取得を目指す学生が対象となります。
奨学金の申請は2024年7月19日から受け付けを開始し、書類審査、面接などを経て、選考された学生には、卒業予定までの期間(最長42か月)に、前期350,000円、後期350,000円の奨学金が給付されます。
本奨学金制度の設立にあたって、日本老人福祉財団は、多くの学生に社会貢献と高齢者福祉に関心を持ってもらうことを最重要課題としています。また、経済的な事情で進学が困難な学生にも教育の機会を提供するため、返済義務のない給付型奨学金を採用しました。
日本老人福祉財団人事部部長の前川規氏は、今回の奨学金制度設立の意図について、「高齢社会となった今の日本において、介護職の重要度は日に日に増しています。一方で、労働人口の減少は全産業に影響を及ぼしています。福祉業界において必要な人手はロボットによって充足することはできず、優れた人間力をもつ人材が求められています。日本老人福祉財団は社会福祉の一翼を担うものとして、家計への教育費に関する負担が増大している現在、学生が教育を受ける機会を失わないよう、また一人でも多くの学生が福祉業界を志す機会を得られるようサポートしたいという思いから今回の制度設立を決定しました」と語っています。
京都光華女子大学福祉リハビリテーション学科学科長の石井祐理子氏は、「この度は、日本老人福祉財団様から、本学の社会福祉を学ぶ学生に対して、奨学金制度のお声掛けをいただき、大変光栄に存じております。貴財団の基本理念である『豊かな福祉社会の実現を目指す』うえで、専門性の高い福祉従事者を養成する事は私たちも大変重要なことと考えております。本学の社会福祉専攻の学生が貴財団からの支援をいただき、期待に応えられる専門性を身に付け、社会に貢献できる福祉人材となるよう、社会福祉専攻を始め、本学一丸となって努力する所存でございます」と述べています。
日本老人福祉財団は、今後も、豊かな福祉社会の実現を目指し、福祉人材の育成と福祉の仕事への関心を高める取り組みを積極的に推進していくとしています。