地元漁師と灯台キャラクターの共演
青森県東通村に位置する尻屋埼灯台。この地域は、本州の最北東端にあり、漁業と観光が盛んな場所です。最近、尻屋埼灯台活用協議会が新たな観光体験を提供するために、地元漁師とのコラボレーションによって作られた「訛り音声ガイド」をお披露目しました。このプロジェクトの背後には「海と日本プロジェクト」の助成による「海と灯台プロジェクト」が位置しています。
設計の背景と目的
尻屋埼灯台は1886年に設立され、現在も地域のシンボルとして多くの観光客を引き寄せています。この灯台の特徴は、レンガ造りの灯台として日本一の高さを誇り、360度の美しい風景が楽しめる点です。しかし、灯台周辺の海洋文化や地域の歴史を深く理解するためには、ただの見学では不十分と考えられました。そこで、地元の漁師による独特の方言を取り入れた音声ガイドが必要だと判断されたのです。
音声ガイドの設計
この音声ガイドは、灯台を訪れる方に、地元の風景や文化、そして漁業の知識を通じて、より深い理解を提供することを目的としています。また、音声ガイドの制作には、地元漁師の柾谷一心さんと川向勉さんが参加し、漁師ならではの視点からの解説が行われます。さらに、灯台擬人化プロジェクトのキャラクター「駿馬丸」が声を担当することで、地域の子供たちにも親しみやすい形で灯台の魅力を伝えることができます。
モニターツアーでの体験
音声ガイドは、豊かな方言とともに、三部構成で展開されます。参加者はまず、入口で基本情報を学び、次に階段を登りながら、地元漁師の温かみのある声によるストーリーを体験します。そして最後に、灯台の頂上での景色を楽しみながら、ガイドの締めくくりを聞くことで、灯台を訪れた意味を感じることができるようになっています。
ツアー参加者からは、「聞き取れない部分も新鮮で面白い」「漁師の訛りが心地よく、内容もわかりやすい」といった感想が寄せられました。地元の方言を通じて、訪問者と地域との絆を深めることができるとともに、地域文化の素晴らしさを再発見する機会にもなりました。
尻屋埼灯台について
この灯台は、1856年に創建された歴史ある建物で、灯台の周りには美しい自然が広がっています。また、周辺海域は漁場が豊富で、ウニやアワビなどの特産品が楽しめるのも魅力です。地域の人々は、この灯台を通じていかにサステイナブルな観光を推進するかに取り組んでいます。
これからの展望
今後はこの音声ガイドをはじめとする新たな取り組みを通じて、尻屋埼灯台の魅力を全国的に発信していく予定です。また、音声ガイドを視聴するための二次元バーコードを掲載したポスターが灯台内に掲示される予定で、訪問者が気軽に利用できる環境を整えていくことが期待されています。地域産業や文化を支える新しいモデルとして、尻屋埼灯台がさらなる発展を遂げることに注目が集まります。