スズメバチグミがもたらす新たな健康長寿の可能性とは?
近畿大学発のベンチャー企業、株式会社POI(奈良県奈良市)の清水和輝さんが、新たな虫食文化の幕開けを告げるスズメバチグミを開発しました。この試みは、環境への配慮と健康志向を兼ね備えた商品として注目を集めています。近年、昆虫食は持続可能な食文化としての重要性が増しており、国連食糧農業機関の報告書がその考えを裏付けています。
開発の背景
昆虫食が広く認識されるようになったのは、2013年以降のことです。特にコロナ禍において、SDGsの考え方が普及し、持続可能な食料源としての注目が集まりました。しかし、その認識には誤解も伴い、コオロギなど特定の昆虫食に対するネガティブなイメージも根付いてしまいました。それに対して、清水さんはスズメバチに注目しました。スズメバチは、危険な存在という意識から、まだ多くの人々に受け入れられやすい昆虫と言えるからです。
スズメバチの味わい
実は、スズメバチは非常に美味で栄養価も高いという特性を持っています。特にオオスズメバチの幼虫やサナギは、ふぐの白子のような繊細な味わいを持っており、味覚センサー評価ではウナギに近い数値が記録されています。この栄養価の高さに着目し、清水さんはスズメバチを利用した食品の開発に踏み出しました。
循環型経済への貢献
駆除されるスズメバチの活用は、ただの食文化に留まらず、循環型経済の一環としての側面も持っています。飼育や廃棄のプロセスから生まれる問題を解決し、人々に新たな価値を提供することが目的とされています。彼は大学院にてこのビジネスプランを発表し、良い評価を得たことで自信を深めました。
グミの開発
清水さんは、スズメバチを粉末化して成分解析を行い、豊富なアミノ酸を確認。これを基に、気軽に摂取できるグミを開発しました。このグミは日本初の試みであり、はちみつ味とエナジードリンク味の二種類が用意されています。グミ市場は著しい成長を見せており、世代を超えて楽しむことができる商品となるでしょう。
開発の道程と協力者の声
開発の過程では、当初の計画に展開した協力先のラボが経営難で未対応となるなど、数多の困難がありました。しかし、清水さんはチームメンバーの協力を受けながら、無事成功へ導くことができました。また、彼のアイディアには多くの角度から賛同と期待の声が寄せられています。
丸沢丸さんは「スズメバチの美しさや、豊富な栄養価を人々に広めたい」と語り、香取准教授も清水さんの成長を見守り続けています。内山昭一さんは、昆虫食の普及に向けた新たな挑戦に期待を寄せています。
未来を見据えて
清水さんは、昆虫食の普及がこれからの社会に必要不可欠であると強調し、自然に需要を引き出す形での挑戦を続けていく意向を示しています。スズメバチグミは、食文化の変革だけでなく、持続可能な社会の実現にも寄与する可能性を秘めた注目の商品です。
このように株式会社POIの挑戦は、今後の食品業界に新たな風を吹き込むことでしょう。