2050年に向けた電力市場の新たな動向
株式会社日本電力調達ソリューション(略称JEPS)と株式会社Beyond Next Energy(略称BNE)は、国内電力市場の価格予測に関する新たなサービスを開始しました。この取り組みは2050年までの電力市場価格を的確に予測することを目的としており、法人向けに電力契約や再エネ調達の効果的な支援を提供します。
電力市場価格予測の手法
本サービスでは、「メリットオーダーモデル」を基にした新しい予測手法を採用しています。具体的には、従来のメリットオーダーモデルに、火力発電の最低出力などの実運用に即した要素を加えた「実態的メリットオーダーモデル」を用いています。このモデルは、需要予測、電源の稼働パターン、各電源の限界費用をもとに、CO2価格も考慮し、30分ごとの市場価格を予測することを可能にしています。
要するに、単なる過去のデータから推計するのではなく、将来の電力市場における具体的な根拠に基づいたデータを提供することで、企業の経営計画や会計上の推定に対する信頼性を高めます。
期待される利用シーン
この予測データはどのような場面で活用されるのでしょうか?
再エネ発電事業者・小売電気事業者・電力ユーザー
再エネの長期電力購入契約(PPA)を締結する際に、将来の経済性を正確に見込むためには、電力市場の将来価格が不可欠です。具体的には、以下のような予測が求められます。
- - PPA導入時の採算性予測
- - バーチャルコーポレートPPA導入時の差額決済額の予測
- - FIP制度におけるプレミアム交付額の予測
電力多消費型産業の電力ユーザー
製造業やデータセンター、化学工業においては、電力コストが総原価の大きな割合を占めています。したがって、長期的な価格予測が不可欠です。これにより、以下のような判断が可能になります。
- - 自家発電設備や再エネ導入の投資評価
- - 海外拠点とのコスト比較
- - GX投資におけるROIの試算
サービスの提供内容と価格
この新しい電力市場価格予測サービスは、東京、中部、関西、九州の各エリアで提供されます。提供方法は予測データのサマリーとCSVデータの形で行われ、年間17000を超えるデータポイントが2050年までの期間にわたり整備されます。さらに、サービス開始から1年間有効なデータが更新されていくため、常に最新情報を得ることができます。
特別価格として、サービスのローンチ時には1エリア当たり90万円(税抜)という価格で提供され、先着10社に限られています。これはこれからの電力市場を見据えた非常に競争力のある条件です。
お問い合わせ
新サービスに関する問い合わせは、以下の連絡先にて受け付けています。
会社概要
株式会社日本電力調達ソリューション
- - 代表者:高橋優人
- - 所在地:東京都港区新橋3-9-10 2階
- - 資本金:9,000,000円
株式会社Beyond Next Energy
- - 代表者:山口浩一
- - 所在地:東京都港区新橋3-9-10 2階
- - 資本金:10,000,000円
日本の電力市場の未来を担う両社の新たなサービスは、企業の持続可能な成長を支える重要なパートナーとなることでしょう。今後の動向にも目が離せません。