OTC類似薬の負担増加は現役世代にどのような影響をもたらすのか
2023年5月7日、パルシステム共済生活協同組合連合会が主催した「医療・健康格差学習会」が東新宿本部で開催され、全国保険医団体連合会(保団連)の講師を招き、「OTC類似薬」の制度改正について議論しました。この改正案により、OTC類似薬に対する負担が増えることが見込まれ、現役世代への影響が懸念されています。
改正案の概要とOTC類似薬とは
OTC類似薬とは、これまで処方箋が必要だった医薬品であり、市販薬と成分や効能がほぼ同じものを指します。この改正により、対象となる1,100品目の薬剤には、痛み止めやアレルギー薬が含まれており、今後は薬価の25%に相当する特別料金を支払う必要が生じます。
例えば、痛み止めの「ロキソニン」や、アレルギーのための「アレグラ」は、日常的に使用されている薬であり、多くの現役世代が直面する医療問題です。政府は、OTC類似薬の追加負担を通じて国民医療費の削減を図り、1人あたりの保険料軽減を目指す意向を示していますが、その影響は予想以上に大きいかもしれません。
短期的なメリットと長期的なデメリット
改正案によって実際に負担がどのように変わるかを見てみると、現役世代に関連する市販薬の使用者が増えることは避けられません。花粉症は日本人の2人に1人が発症しており、治療を怠ると労働生産性が低下する恐れがあります。月額33円の負担減がもたらされる一方で、OTC類似薬の処方を受ければ、月額1,500円の追加入金が生じるとの試算も出ています。
自己判断の危険性
保団連の事務局次長である本並省吾さんは、市販薬の対症療法が現役世代の傾向に基づくものであることを指摘しています。忙しい生活を送る中で、受診する時間を持てず、市販薬で済ませることが多くなっています。しかし、このことが逆に症状の悪化を招く可能性があるのです。状況によっては、感染症や重篤疾患を見逃す原因となりかねません。症状を医師に診せずに市販薬で抑えることで、重篤化を招くことがあるのです。
大変化が迫る社会の医療負担
現行の改正案に対し、本並さんは「コストパフォーマンスの悪い政策」と批判しています。医療界や患者団体の意見を無視したまま進められるこの改正によって、将来的には医療の自己負担化が進み、全額自己負担になるリスクも高まっています。
職業による影響
特に低賃金で働くエッセンシャルワーカーたち — 介護や保育、建設業界の労働者 — にとって、OTC類似薬の負担増加は生活に直接的な影響を及ぼすことが懸念されています。慢性疾患を多く抱えやすいこれらの職業の人々が、治療を受けられなくなることは、今後の人手不足の増加を招く可能性があります。
まとめ
OTC類似薬の負担増については、短期的には家計負担が軽減されると思われますが、長期的な視点では医療費の増加を生む要因となることが指摘されています。現役世代には、この制度による影響が大きく、正確な情報をもとに、医療を受ける権利をしっかり保持すべきだと訴えています。パルシステムグループは、今後も多様な組織と連携し、健やかな社会づくりに向けて努力していく必要があります。