社内承継の実態調査:後継者育成が成功の鍵に
AIを用いたM&Aサービス『RISONAL』を提供するオーナーズ株式会社が行った「社内承継の実体験に関する調査」では、実際に社内承継を行った旧オーナー経営者100名を対象に、その満足度や課題、求められる支援について明らかにしました。調査結果からは、社内承継における満足度や後継者育成の重要性が浮き彫りになっています。
満足度は高いが課題も多い
調査によると、社内承継を経験した約50%の経営者が満足しているとの結果が得られました。その理由としては、業績が好調で社員からの評判も良い、過去の問題点を改善したスムーズな継承が行われた、または継承者との年数を踏まえた信頼関係が築けていたことが挙げられており、一方で不満の声も存在しました。特に、先行きに対する不安や、適切な相談がなされなかった点に指摘が集まりました。
社内承継の選択理由
社内承継を選んだ理由については、34%が「事業の連続性の保持」を挙げ、33%が「承継したい人材の存在」を挙げています。この結果から、社内での人材育成やカルチャーの維持がいかに重視されているかが窺えます。しかし、29%が「当てはまるものはない」と回答しており、社内承継が必ずしも前向きな選択だけでない現実も示唆されています。
承継には時間がかかる
社内承継を行う企業のうち36%が、そのプロセスに3年以上を要したと回答しています。一方で、28%は1年未満で完了したと報告しており、準備の状況や体制が大きな影響を与えることが確認されました。承継前に立ちはだかる課題としては、「後継者の選定」や「育成期間の確保」が主要なもので、ここでの苦労は定期的な確認とサポートが必要です。
承継後の新たな課題
承継後においては、「意思決定の責任範囲の明確化」が41.9%で最も多く、「組織運営」が続きます。これにより、企業統治や役割分担を構築するためのフレームワークが必要であることが浮き彫りになりました。また、後継者育成や株式譲渡の設計支援など、企業自体の成長を促すために多様な支援が求められる状況です。
社内承継時の不安の声
調査結果からは、社内承継時に最も大きな不安となる要素が「株式取得にかかる資金負担」との声が38.1%で得られました。また、「承継の切り出しに対する心理的ハードル」や「人間関係の変化に対する懸念」も多く見受けられ、承継のプロセスそのものがいかに複雑で多面的であるかを示しています。
オーナーズの取り組み
オーナーズ株式会社の社長である作田 隆吉は、調査結果を受けて「社内承継は信頼関係に基づくバトンパスとして満足感をもたらす一方で、プロセスには多くの課題がある」と訴えています。特に資金確保や責任範囲の明確化が実行の大きな負担となり、そのための制度設計が求められています。社内承継を成功に導くためには、感情面や関係性の管理も重要であり、長期的な視点からの支援が不可欠です。
最後に
社内承継は企業継続において欠かせない要素ですが、多様な課題をクリアするためには後継者の育成や制度設計が重要であることが調査を通じて明らかになりました。企業は専門的な知見を持つ外部の支援を受けることで、よりスムーズな承継を実現することができるでしょう。今後もオーナーズは、個別企業のニーズに応じたサポート体制の強化を図り、社内承継に取り組んでいく所存です。