カカオと農業の未来
2024-08-26 13:24:45

カカオ産業の持続可能な未来を目指す、企業4社共同の農業改革プロジェクト

カカオ産業の持続可能性を求めて



カカオは、世界中で人気のあるチョコレートの原料です。しかし、その生産には多くの問題が内在しています。特に、主要生産国のガーナ共和国とコートジボワール共和国では、農家の貧困や児童労働、森林破壊などが深刻な課題とされています。これに加え、最近の収穫期では気候変動や病虫害、農薬高騰などが影響し、収穫量が著しく減少しています。このような状況に対処するために、4社が共同でカカオポッド由来のバイオ炭を活用した再生農業の有効性評価試験をガーナで実施することが発表されました。

共同による試験の目的と背景



今回の評価試験に参加しているのは、株式会社ロッテ、不二製油株式会社、株式会社MCアグリアライアンス、Olam Food Ingredientsの4社です。彼らは、ガーナのダンクワ郡の農家コミュニティにおいて、未利用副産物であるカカオポッドを焼成して得られたバイオ炭を散布し、土壌改良や脱炭素の効果を検証するとともに、カカオ農家の生産性向上を目指します。

この取り組みは「みどりの食料システム戦略」に沿ったもので、地球温暖化対策にも寄与することが期待されています。主に、バイオ炭の継続的な施用によって、土壌の健康状態が向上し、化学肥料や農薬の使用量削減につながることが目標です。

バイオ炭の利点



バイオ炭は、農地に散布することでさまざまな利点を生み出します。たとえば、土壌の透水性や保水性、保肥性、通気性が改善され、これによって土壌中の生物多様性が復活し、肥沃で健康な土壌が形成されます。特に、アフリカの酸性土壌に対するアルカリ性のバイオ炭の散布は、中性域へと土壌のpHを調整し、カカオの成長を促進します。

さらに、カカオポッドを持続的にバイオ炭に変換することで、温室効果ガスの排出を抑えることも可能です。この試験では、バイオ炭の使用がカカオ生産にどのように貢献するのかを具体的に評価していくことになります。

評価試験の進行スケジュール



評価試験は2つのフェーズに分かれ、2024/25の収穫年度には初期的な評価が行われます。ここでは、簡易的な手法でバイオ炭を小規模に生産し、効率的な収集・炭化・散布方法を検証する予定です。次のフェーズでは、うまくいった場合には小型バイオ炭製造設備を導入し、自律的な生産体制の確立を目指します。

持続可能なカカオ供給チェーンへの貢献



カカオの持続可能なサプライチェーンを確立することは、チョコレート業界全体にとって重要な使命です。ロッテをはじめとする企業は、調達するカカオ豆の生産地におけるトレーサビリティを重要視し、児童労働の撤廃や森林減少の防止に向けた活動も行っています。これにより、全てのカカオ豆が持続可能に生産される未来を目指しています。

結論



カカオ産業の抱える課題には、複雑な要因が多く絡んでいます。しかし、企業が協力して新しい技術や方法を導入することで、持続可能な未来を実現することは可能です。この評価試験が成功すれば、カカオ農家の生産性向上に繋がり、地域経済や環境にとっても良い影響を与えることでしょう。


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会社情報

会社名
株式会社ロッテ
住所
東京都新宿区西新宿3-20-1
電話番号

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