イーアイアイが開発したAI火花検知システム『Spark Eye』
最近、廃棄物処理の過程でリチウムイオン電池が引き起こす火災が増加しており、特に破砕機周辺での火災リスクは無視できない問題となっています。これらの電池が破砕機で処理された際に発生する火花は、周囲の廃棄物に引火する可能性が高く、既存の対策では迅速な対応が難しいとされています。火災が発生する前に、早期に火花を検知する手段が求められています。そこで、(株)イーアイアイと大栄環境グループが共同で開発したのが、AI火花検知システム『Spark Eye』です。
システムの背景と目的
『Spark Eye』は、廃棄物処理における火災リスクを軽減することを目的としたシステムです。一般に用いられる煙や熱検知システムは、火災が発生してから検知されるため、延焼の危険性が高い状況において間に合わないことがしばしばあります。対照的に、『Spark Eye』は破砕機で発生する火花をAIによって即座に検知し、初期段階での警報を発することが可能です。これにより、未然に火災を防ぐ取り組みが進みます。
システムの具体的な機能
『Spark Eye』は、以下のような先進的な機能を備えています:
- - AI画像認識技術:破砕機周辺に取り付けたカメラが、破砕直後の火花をリアルタイムで検知。
- - 迅速な検出:火花を0.05秒以下で察知し、昼夜問わず働きます。
- - 警報設定:火花の発生状況に基づいて警報レベルを設定でき、メール送信や遠隔地の監視ボードへのアラート発信が可能です。
- - 豊富なデータ管理:クラウドシステムを活用し、火花検知数や関連情報を統計で確認できるほか、映像記録やリアルタイムモニタリング機能も備えています。
このシステムは、AI技術の進化を活用して、廃棄物処理の安全性を向上させることを目指しています。
今後の展開
今後、(株)イーアイアイと大栄環境グループは、本システムを自治体や廃棄物処理施設に展開していく計画です。これにより、より安全で安心な廃棄物処理環境の実現を目指します。すでに2020年12月から販売を開始する予定で、受注後約1~2か月で納品される見込みです。また、周辺工事についても別途手配が必要となる旨が説明されています。
『Spark Eye』に関する詳細な情報は、公式ウェブサイトで確認できます。
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