株式会社マイクロジェット、Quantica社の高粘度インクヘッドを取り扱い開始
インクジェット技術の進化は、ますます多様化する製造ニーズに応える新たなソリューションを提供しています。長野県に本社を置く株式会社マイクロジェットは、German Quantica GmbH社と販売代理店契約を結び、その代表的な製品である高粘度用インクジェットヘッド「NovoJet™プリントヘッド」の取り扱いを開始することを発表しました。
種類多様なモノづくりへの対応
インクジェット技術は、従来のアナログ製造プロセスに比べてるつもり、資源の無駄を省く能力があります。この背景には、より環境に優しい製造業への移行が求められるようになってきたという昨今の社会の流れがあります。SDGs(持続可能な開発目標)の意識が高まる中、デジタル製造は産業界で求められています。ペロブスカイト太陽電池や3Dプリンティング、電子回路の製造において、その重要性が増すインクジェット技術は、一級のモノづくりの基盤となると期待されています。
高粘度液材の吐出を可能にするNovoJet™
インクジェットの工業利用における普及の障壁の一つが、高粘度液体の吐出を実現することでした。この問題を解決するのが、Quantica社が開発したNovoJet™プリントヘッドです。このヘッドは従来比で約10倍の高粘度液体の吐出が可能で、工業用コーティングや接着剤、さらには粒子が含まれたインクなど、多様な多機能材料をデジタルで効率よく生産できる能力を持っています。これにより、製造業者は新たなワークフローを展開でき、速さと精度を兼ね備えた製造が実現します。
新たな評価装置の登場
マイクロジェット社では、NovoJet™プリントヘッドを装備した高粘度液体の吐出評価キット「JetPack」や、これを使って新たなデバイス試作ができる「NovoJet™ OPEN Printer」の導入も行います。これらの製品は、液体材料の開発や製造プロセスの支援に特化した技術支援サービスの一環として利用される予定です。具体的な利用に向けては、各種素材開発を行う上でも非常に重宝するツールとなるでしょう。
社会にもたらす影響
Quantica社は、ベルリンとバルセロナを拠点とするディープテック製造企業で、世界の産業技術の進展に貢献するために、高い専門性をもったチームを擁しています。業界内外の専門知識を持つプロたちが、従来不可能とされていた材料の高速かつ精密な塗布を実現するためのシステムを開発しています。
未来のモノづくりを変革するインクジェット技術
このように、株式会社マイクロジェットがQuantica社のNovoJet™プリントヘッドを取り扱うことで、インクジェット技術の新たな可能性が広がります。他社との差別化を図る事業者にとって、非常に魅力的な選択肢と言えるでしょう。高粘度インク材料の自由な利用法が新たに開かれることで、使われる材料や方式に新たな展望が加わり、より多くの業界での活用が見込まれます。
マイクロジェット社は、28年以上にわたる豊富な経験を基に、インクジェット技術の研究開発をサポートしています。開発フェーズや予算に応じたさまざまなソリューションを揃え、新たな可能性を探る企業を幅広く支援していくでしょう。