Apple Vision Proを活用した新たなビジュアル表現の実験
ARエンタメ企業、Graffity株式会社は映像プロダクションのP.I.C.S.との協力により、Apple Vision Proを使った革新的なビジュアル表現の研究開発に着手しました。本プロジェクトでは、iPhone映像をAIフィルターで加工し、リアルタイムでApple Vision Proに伝送することで、ユーザーの周囲の現実環境を様々なデジタル体験へと変える手法が検証されています。
背景
Apple Vision Proは2024年に発売される予定の、空間コンピューティングデバイスです。これはデジタルコンテンツを現実世界にシームレスに融合させることを目的としています。市場調査によると、空間コンピューティング市場は2030年までに約4,235億米ドルに成長すると予測されています。一方で、Apple Vision Proを利用した没入型ビジュアル表現の方法論はまだ確立されていない現状があります。この課題解決に向けて、GraffityとP.I.C.S.は共同でプロジェクトを立ち上げました。
プロジェクト概要
このプロジェクトは、iPhoneのカメラ映像をPCに低遅延でストリーミングし、TouchDesignerを使用して生成したAIフィルターを適用するという新しいワークフローを構築しています。加工された映像はNDIプロトコルを使用してApple Vision Proに送られ、ユーザーは瞬時に現実環境が「海」「宇宙」「サイバーシティ」へと変わるインタラクティブな体験を享受できます。
主な機能
1.
低遅延ストリーミング: iPhone映像を高解像度でPCにストリーミング。
2.
生成AIフィルター: 音声入力に基づいたプロンプトにより、リアルタイムで映像変換。例えば、「海のような空間にして」と指定できます。
3.
シームレスな映像体験: 変換された映像がApple Vision Proの視野全体に適用され、周囲の環境が一瞬で変わります。
パートナーシップ
P.I.C.S.は株式会社IMAGICA GROUPとのボトムアップの連携を行い、Apple Vision Proを用いた新しい映像表現の研究をリードしています。彼らのテクニカルチームは、CMやMV、アニメーション制作での経験を活かし、空間体験の可能性を探求しています。Graffityは、Apple Vision Pro向けの異なるタイトルでの経験を用い、映像の質を保ちながら新しい体験を実現しています。
Graffityの強み
Graffityはアプリの企画から実装まで自社で行える体制を持っており、パートナー企業のニーズに応じた柔軟かつ迅速な対応が可能です。これにより、Apple Vision Pro向けに迅速にプロトタイピングを行い、実運用へと繋げています。
将来的な展望
今後もGraffityとP.I.C.S.は協力し、Apple Vision Proを活用したさらなる研究開発を進めていく予定です。また、空間体験の革新を求める企業やクリエイターとの共同研究や概念実証(PoC)パートナーの募集も行います。AR技術の未来は、このような革新的な取り組みを通じて進化していくことでしょう。
会社情報
Graffityは2017年に設立されたARエンタメ企業で、数々の新技術を駆使したプロダクトを展開しています。近日中にはApple Vision Pro向けの空間ゲームをリリースする予定で、さらなる発展が期待されます。詳細は公式ウェブサイトをご覧ください。