ペットと飼い主が直面する防災対策の現実と今後の備え

9月1日の「防災の日」にあわせて実施された『ペットの防災対策に関するアンケート調査』において、多くの飼い主が「災害時のペットに関する備えについて不安」を抱えています。この調査は、ユニ・チャーム株式会社によるもので、全国の犬や猫を飼っている206名を対象に行われました。調査結果は、ペットと共に暮らす飼い主がどのように自身のペットの安全を考えているのかを示しています。

調査結果の総括

調査の結果、92.7％という高い割合の飼い主が、「災害時のペットに関して不安を感じている」と回答しました。具体的には、52.9％が「備えが不十分」と感じており、その中の13.6％は「全く何も備えていない」と述べています。このように、十分な備えをしているとする飼い主はわずか4.4％に留まっています。

主な不安要素としては、79.6％が「ペットのストレスや体調悪化」を挙げ、69.9％が「一緒に避難できる場所がない」とも答えています。また、67.0％が「フードや水の確保」にも不安を感じており、24.3％は「何を備えたら良いのかわからない」といった声が上がりました。これらの結果から、飼い主は何らかの備えが必要であると感じているものの、具体的な行動には結びついていない現状が明らかとなっています。

備えへの意識と実際の行動

必要な備えとして今後準備したいものは、58.3％が「水」、57.3％が「ペットフード」、43.2％が「トイレシート」と回答しています。また、調査では「ローリングストック」という備蓄法の認知度も明らかになり、実践率は36.4％でしたが、約24.8％の飼い主はこの言葉を初めて聞くと答えています。

設定される避難先の傾向

ペットの避難先として最も多かった回答は「一緒に在宅避難」で57.8％、次いで「避難所への同行避難」が10.2％となりました。これにより、多くの飼い主が災害時にペットと共に在宅避難を選択することが浮き彫りになっています。

精神的準備と物理的準備の二重の必要性

このような調査結果を踏まえると、飼い主がペットのために安心して備えるためには、具体的な行動と精神的な準備の両方が重要です。ペットフードや水を日常生活で供給しながら備蓄する「ローリングストック」は、非常に効果的な方法の一つと言えるでしょう。実際のところ、普段からこれを実践することで、災害時にもペットが普段通りの環境でストレスなく過ごすことができます。

取り組むべき今後の課題

ウニ・チャームでは、これらの課題に対応するために、ペットと飼い主が安心して災害に備えられる情報を提供しています。例えば、『マイスタイル防災』というサイトでは、ペットを含めた生活全般の防災についての情報が提供されており、赤ちゃんや高齢者、在宅介護といった具体的なケースに基づいた備えの提案がなされています。また、飼い主同士の情報交換の場として『DOQAT』が運営されており、70,000件以上のQ&Aが掲載されています。

このように、ペットと飼い主が共に災害に備え、安心して暮らせる環境を作ることがますます重要になっています。今後も飼い主とペットのために、必要な情報を分かりやすく提供し、防災意識を高めるサポートに取り組んでまいります。