ALTRAILが描く新しい手すりのかたち
はじめに
2025年の登場を目前に控えた「ALTRAIL」は、TSUGI DESIGN合同会社が手掛ける新たな手すりのプロダクトです。この製品は、単なる機能性を満たすだけでなく、デザインにもこだわりを持った製品として注目を集めています。両共同代表が個人的な経験を通じて感じた課題を基に、障がい者と健常者の境界をなくし、誰もが使いやすいプロダクトを目指して開発が進められました。
ALTRAILの誕生背景
2018年、共同代表の髙橋氏は脳梗塞による右半身麻痺を経験し、もう一人の代表である髙木氏は交通事故の後遺症によって寝たきりになるという衝撃的な出来事に見舞われました。この経験は、彼らに街の障壁や福祉用具の限られた選択肢についての気づきをもたらしました。特に、「もっとデザイン性が高く、使いたいと思えるものがないのか」という疑問が、ALTRAIL開発の原点となったのです。
デザインと機能性の両立
ALTRAILでは、デザイン性と機能性を両立させることが目指されています。ハンガーや棚、照明として使えるように設計されており、歩行補助用だけに留まらない新しい手すりの形を提案しています。これは、使う人のライフスタイルに寄り添い、必要な時に役立てられる製品になることを意味します。
開発過程と挑戦
この製品の開発は、金型を極力使わない製造方法を模索することから始まりました。一般的に、金型の製作には大きな初期投資が必要です。しかし、彼らは地域のものづくり企業との協力を活かし、3Dプリンターを利用することで、製品の各パーツを分解し、低コストでの試作が実現しました。こうした試行錯誤の結果、ALTRAILは製造コストを抑えながらも高い品質を維持することに成功しました。
ALTRAILで実現するライフスタイルの進化
「ALTRAIL」は、ただの手すりとしての機能にとどまらず、生活の中での多様な使い方を可能にします。子どものつかまり立ちから高齢者の歩行補助、さらには必要がなくなった際には収納などとしても活用できます。これにより、ユーザーは長期間にわたり製品を愛用し続けることができるのです。
未来への展望
2024年末には、ALTRAILはパラマウントケアサービス株式会社のカタログに掲載され、一般販売を開始します。この新しい手すりは、障がい者と健常者の境界を越え、誰もが快適に暮らせる空間を提供することが期待されています。今後もTSUGI DESIGN合同会社は、さらに多様な人々の暮らしに寄り添ったプロダクトを開発していくことでしょう。
まとめ
ALTRAILは、ただの手すりではなく、暮らしの一部としての役割を果たす新しい提案であり、障がいの有無に関わらずすべての人が快適に生活できる未来を描いています。デザインと機能の両立に寄与するこのプロダクトが、どのように人々の生活を豊かにしていくのか、今後の展開が楽しみです。