渋谷区立青山キャンパスでの避難所支援アプリ体験会
東京都渋谷区に位置する渋谷区立小中学校青山キャンパスで、避難所開設支援アプリ「N-HOPS」の実証体験会が開催されました。この取り組みは、非常事態において普段利用することが少ない施設で、必要な初動行動を円滑に進めるための確認を目的としています。
青山キャンパスの背景
青山キャンパスは、小中学校の建て替えに伴い、仮設校舎として複数の学校が利用しています。通常とは異なる施設で避難所を運営する際、住民は「どこに何があり、どこから始めるべきか」が全くわからない状態に直面する可能性があります。このような不安を解消するために、N-HOPSがどのように役立つのかを探ります。
訓練の課題
全国の自治体ではこれまで、職員向けの訓練や地域住民の防災意識向上など、さまざまな対策が講じられてきました。しかし、現場では「訓練で習った人が不在」や「経験を伝えられない」といった現実があります。また、地域組織の希薄化や参加者の固定化、担い手の高齢化も課題です。特に災害時には、普段使っている施設でも初めての環境になることがあるため、従来の訓練だけでは十分に対応できないことがあります。
不慣れな環境でも安心
体験会には、松濤中学校の避難所運営委員会のメンバーも参加し、N-HOPSの画面に指示された内容を基に施設内を巡回しました。具体的には、鍵の保管場所や開錠箇所、初動対応に必要な行動手順、受付設置場所や備品の配置などを確認しました。災害時には訓練に参加していない住民が中心となることが多く、N-HOPSを利用することで、初心者でもスムーズに行動できる仕組みが整っています。
参加者の反応
アンケートでは、体験会に参加した15名のうち、80%以上が「N-HOPSを使えば避難所をスムーズに開設できる」と回答しました。具体的な意見として、「写真を見ながら行動できて分かりやすい」「施設の変更に応じて内容を常に更新できる」といった声が寄せられました。特に、実災害でも有効に機能するという感触は、今後の災害対応に向けて非常に重要なデータです。
N-HOPSの未来
N-HOPSは2026年度の本格リリースを目指しており、すでに複数の自治体からの関心も集まっています。地域の状況や担い手の変化に左右されることなく、誰もが容易に避難所を開設・運営できるよう、引き続き開発と検証が進められる予定です。これにより、地域住民が主体となって避難所をスムーズに運営できる体制が整うことが期待されています。
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