国産高速回路シミュレータScideam 無償版とモーター制御オプションが登場
株式会社スマートエナジー研究所が、新たに国産の高速回路シミュレータ「Scideam」の無償版と、モーター制御オプション「Motor Palette」を発表しました。このどちらも、多機能を備えた回路シミュレータであり、特にパワエレクトロニクスの分野でのニーズに応えるものとなっています。
無償版のリリース背景
近年、パワエレ製品の開発はますます複雑化しており、その需要に応えるための回路シミュレータは必須と言えます。しかし、従来の汎用シミュレータには、計算速度や収束性に関する問題がつきまといがちです。これに対して、Scideamは独自の可変ステップソルバを採用し、高速かつ高精度な解析を実現しました。今回新たに提供される無償版は、初めて回路シミュレーションを行うユーザーや、他社製無料シミュレータで不満を抱えるユーザーを対象に、より快適なシミュレーション体験を提供することを目的としています。
無償版の主要機能には、基本的な素子を用いたモデリング、詳細波形解析、制限付きの回路保存、グラフ解析機能などが含まれています。オフライン使用は制限されていますが、十分な機能が備わっています。
モーター制御オプション「Motor Palette」
新たに追加されるモーター制御オプション「Motor Palette」は、電気回路とモーターモデルを組み合わせて解析する機能を提供します。このオプションには、モーター制御システムの解析に特化した新しい素子が多数追加され、Scideamのみでモーター、インバータ、および制御システムのシミュレーションが可能になります。
利用者は、モーターモデルの各端子を設定し、三相入力電流、回転速度、トルク波形などを確認することができます。また、MATLABやSimulinkとの接続も可能で、大規模なソフトウェア開発にも対応できる点が大きな魅力です。
Scideamの特性と強み
Scideamは、30年以上の歴史を有する国産シミュレータです。その最大の強みは、解析精度とシミュレーション速度の両方を兼ね備えている点にあります。独自のアルゴリズムが、ユーザーが製作した回路モデルに最適な速度と収束性を提供します。また、ハードウエアアクセラレーションを用いた波形ビューアーにより、大量のデータを扱う際も高速かつ快適な解析が可能です。
適用分野
Scideamの適用分野は、パワーエレクトロニクスやスイッチング電源を中心に、自動車や再生可能エネルギー、蓄電システムなど、多岐にわたります。これらの分野에서の利用が期待されています。
無償版およびモーター制御オプションの入手方法
Scideamの無償版は、公式ウェブサイトからダウンロード可能です。モーター制御オプション「Motor Palette」は2024年9月からの発売が予定されており、詳細はWebでの発表をお待ちください。
企業情報
株式会社スマートエナジー研究所は、2009年に設立された企業で、横浜市を拠点に電源設計や回路シミュレーションの分野で活躍しています。直近では、パワエレ向けの回路シミュレーションだけでなく、大学との共同研究やモデルベース開発のノウハウを活かしたコンサルティングも行っています。
独自の技術と新しい発想で電源設計の未来を切り開く株式会社スマートエナジー研究所から目が離せません。詳しい情報は
公式ウェブサイトをご覧ください。