元子ども兵が紡ぐ「恩送り」の物語。平和の大切さを再考する

元子ども兵たちが語る夢と「恩送り」の物語

9月21日の国際平和デーを機に、認定NPO法人テラ・ルネッサンスが公開した特別記事「夢は、次の夢へ。元子ども兵たちが紡ぐ『恩送り』の物語」。この特集では、ウガンダ北部で行われる元子ども兵の社会復帰支援施設「スマイルハウス」に焦点を当て、過去の苦難から夢を語る姿を描いています。

世界の子ども兵の現状

現在、世界中で約25万人の子ども兵が存在しています。彼らは、主に反政府組織によって誘拐され、戦争に巻き込まれた10歳前後の子どもたちです。男の子は武器を持たされ、女の子は強制結婚をさせられるなど、その経験は非常に過酷です。一度帰還しても、教育を受けていないため、社会に戻ることは難しい現実があります。これが、彼らの未来を閉ざしています。

テラ・ルネッサンスの取り組み

テラ・ルネッサンスは、ウガンダ北部のグル県を拠点に、子ども兵の社会復帰支援プログラムを20年以上にわたって実施してきました。このプログラムは、彼らが洋裁や木工技術を学び、職業的スキルを身につける手助けをするものです。また、心のケアや地域コミュニティとの対話も大切にしています。

社会復帰を果たした元子ども兵たちは、自らの店舗を持ち始め、少しずつ夢を語れるようになっていきます。このプロセスを通じて、彼らは自己実現だけでなく、地域への貢献も果たしていくのです。

ドリームプラン・プレゼンテーション

記事では、夢を応援し合うプレゼンテーション技法「ドリームプラン・プレゼンテーション（通称：ドリプラ）」にも触れています。これは、コンサルタントの福島正伸氏が日本で開発した手法で、元子ども兵たちの夢を支えるために、テラ・ルネッサンスが導入しました。この取り組みは、参加者たちに感動を与え、彼らの夢をより明確にする助けとなっています。

夢を語る元子ども兵のグレースさん

ウガンダツアーに参加した時、元子ども兵のグレースさん（仮名）がその夢を語ってくれました。彼女は、11歳で反政府軍に誘拐され、2002年に帰還しました。しかし、帰国後は家族からの拒絶に直面し、自分の生きる意義さえ見失う日々が続きました。

テラ・ルネッサンスから支援を受けた彼女は、洋裁技術とともに心の支えを得ていきます。彼女は「ここで神様を見たわ」と語り、訓練が彼女の生きる力となったと述べました。

自分だけの夢ではない

卒業後、グレースさんはミシン一台からビジネスを始めましたが、彼女が得た知識を独り占めにせず、コミュニティに貢献することが最も大事だと考えています。彼女は自身の教室で、かつての自分と同じように困難に直面している子どもたちに洋裁を教えています。この恩返しこそが「Pay Forward（恩送り）」です。

大きな夢の実現へ

グレースさんの夢はさらに広がります。自分の土地を購入し、学校を建て、孤児や同じ境遇の子どもたちが無料で訓練を受けられる場所を作ることが彼女の目標です。この彼女の姿勢には、まさに「恩送り」の精神があります。

人々とのつながり

最終的に、シェアしたいのは、アフリカの人々が感じることに関するトシャ・マギーの言葉です。「アフリカの人々は貧しいのではなく、自分の能力を生かす方法を必要としている。」この言葉は多くの人に響き、彼らが持つ夢が自分自身や周りの人々を幸せにできるものであることを再認識させました。

この活動は、一方的な支援ではなく、共に未来を築くパートナーシップです。この輪にあなたも参加してみませんか？

ドリプラ会場の様子