医療現場の負担軽減へ向けたロボット導入の取り組み
東京都港区に本社を構える株式会社ビーキャップは、屋内位置情報サービス「Beacapp Here」を提供し、医療DXの推進に貢献しています。最近、東京慈恵会医科大学附属柏病院との連携により、運搬ロボット導入に関する実証実験を行いました。この実験では、院内の人的動線を可視化し、運搬業務の効率化を図りました。
実証実験の背景
今日の医療現場は、医師や看護師の長時間労働、慢性的な人材不足という課題に直面しています。このような厳しい状況下で、タスクシフト(業務移管)に基づく業務の見直しが求められています。特に、労働負担を軽減しつつ、より質の高い医療を提供することが急務です。
これを受けて、慈恵医大柏病院では、検体や薬剤を運搬する業務を効率化し、スタッフの負担を軽減するためにロボットの導入が検討されました。ビーキャップは、看護補助スタッフの稼働状況を可視化し、ロボット導入の効果を測定することに協力しました。
実証結果
実証実験は2024年10月16日から約2週間にわたり実施され、主に慈恵医大柏病院の2階における検体・薬剤の運搬業務に焦点を当てました。以下は、実験の主な成果です:
- - 運搬回数の削減:1日あたりの平均運搬回数が9.5回から4.8回に約50%減少しました。
- - 運搬時間の短縮:平均運搬時間は9分39秒から4分57秒に短縮され、こちらも約50%の節約が実現されました。
ロボットが運搬業務の一部を担うことで、看護補助スタッフは患者対応など本来の業務に集中できる環境が整いました。その結果、限られた人員でも質の高い医療提供が可能になり、業務負担が軽減されました。
今後の展望
ビーキャップは、医療施設向けの可視化ソリューション「Beacapp Here Hospital」を通じて、業務の見える化と最適化を支援しています。特に、今回のような事例を全国の医療機関に展開することで、医療DXのさらなる進展を促進し、業務効率の向上に寄与していく方針です。
Beacapp Here Hospitalの概要
「Beacapp Here Hospital」は、ビーコンとスマートフォンを連携させた位置情報サービスです。これにより、スタッフや医療機器の所在地を可視化し、業務の効率化を図ります。スタッフや機器を見つける時間を削減し、コミュニケーションを円滑にし、勤務実態を自動で記録することで、労務管理の効率化も図れるなど、多岐にわたる効果が期待されています。
会社概要
株式会社ビーキャップは、2018年12月に設立されました。現在地見える化ソリューション「Beacapp Here」の開発・販売・運営を行っており、医療業界における業務の効率化に取り組んでいます。今後も医療現場のDX推進に寄与すべく、様々なソリューションを提案していきます。