大日本印刷が新たな工場向けセキュリティ運用サービスを開始
大日本印刷株式会社(DNP)は、株式会社ブロードバンドセキュリティ(BBSec)との提携を強化し、工場に特化したセキュリティ運用・監視サービスの提供を始めることを発表しました。この新しいサービスは、工場での操業を支えるOT(Operational Technology)システムをランサムウェアなどのサイバー攻撃から守ることを目的としています。これにより、企業はワンストップでセキュリティ対策を講じることが可能になります。
サービスの背景と目的
近年、製造業界ではデジタル化が進み、リモートメンテナンスやサプライチェーン管理の導入が進展しています。このような変化は、工場をよりスマートに変えている一方で、製造機器がサイバー攻撃のターゲットになりやすくなっています。サイバー攻撃によって工場の操業が脅かされるケースも増加していますが、OTネットワークはセキュリティソフトやOSのアップデートが難しいため、独特の課題に直面しています。
多くの企業は、こうしたリスクを認識しつつも、OTシステムに特化したセキュリティ運用体制の構築が困難で、専門人材の不足が深刻な問題とされています。そこでDNPは、BBSecと共にこれらのニーズに応えるべく新たなサービスの開発に着手しました。
提供されるサービスの具体的な内容
DNPとBBSecが共同で提供するこのサービスは、工場向けに特化しており、サイバーセキュリティの運用・監視に関する専門的な支援を行います。この新たなサービスにより、企業はセキュリティ対策の全体を一元管理し、ランサムウェアなどの脅威から工場のOTシステムを守ることができます。既存の工場セキュリティ向けサービスと組み合わせることで、OTシステムのセキュリティが大幅に強化されると期待されています。
内部ノウハウを活かした外販サービスの展開
DNPは、自社工場のセキュリティ対策に基づく独自の「工場セキュリティガイドライン」を策定し、BBSecと連携してリスク診断を実施しています。この取り組みにより得られた知見を、外部へ提供する新しい工場向けセキュリティサービスに活かすことで、高いセキュリティレベルを平準化し、他の企業にも提供できる仕組みを構築しています。
今後の展望
DNPは、BBSecとの提携を通じて、セキュリティ対策の領域をさらに拡大し、企業が安全に工場を運営できる環境を整えます。目指すは、2029年度までの売上100億円です。これにより、製造現場のサイバー攻撃リスクを軽減し、企業の競争力向上に寄与することを目指しています。
サイバー攻撃が深刻な脅威となる中、DNPとBBSecの新たな連携は、製造業界全体に安心をもたらす重要な一歩となることでしょう。