DeSciの社会実装に向けた展望
2025年6月20日、函館アリーナで開催された産学連携学会・函館大会において、株式会社キャンパスクリエイトの専務取締役である須藤慎氏が「DeSciの日本における社会実装方法の検討」について発表しました。この発表は、DeSci(Decentralized Science)の新たな可能性を探る重要なものでした。
DeSciとは何か
DeSciは、科学研究を中心にした新しい形態のプロジェクトや社会活動で、参加者が共同で研究を行い、その成果をオープンに共有することを目的としています。海外ではすでに多くのプロジェクトが進行しており、リサーチの透明性が高まっている点が特徴です。しかし、日本国内ではまだ事例が少なく、事業展開に向けた認知度も低い現状です。
日本における課題
須藤氏の発表では、日本においてDeSciがどう活用できるかを広い視点から検討しました。伝統的な科学技術体制においては、情報の共有や透明性が不足していることが多いため、オープンイノベーションの推進が求められています。特に、大学と企業の連携が重要視され、将来的には大学発スタートアップの創出を目指す必要があります。
将来の展望
発表内では、「日本発DeSciによる大学発スタートアップの創出およびグローバル展開を含む事業成長を飛躍的に推進する世界イノベーションエコシステムの構築」を提案しました。このビジョンの実現は、日本の技術力やイノベーションを飛躍的に高めることにつながるとされています。DeSciの導入により、人々が共同で研究し、成果を共有するプラットフォームが整備されれば、新たなビジネスモデルや研究が生まれる環境が整います。
産学連携学会の役割
産学連携学会は、産業と学術の連携を深め、共通の課題を解決するための力量を養成することを目的としています。地域の特性を活かした活動を支援し、我が国の学術や技術の発展を促進しています。須藤氏の発表はまさにこの理念に基づくものであり、参加者の間に新たな議論が生まれるきっかけとなりました。
今後の取り組み
株式会社キャンパスクリエイトでは、DeSciへの関心を深めるための啓発活動も行っています。発表内容に関連するコラムを自社のWebサイトでも公開しており、これからの取り組みに注目が集まります。興味を持たれた方は、ぜひ
こちら からアクセスしてみてください。
言うまでもなく、DeSciが日本に根付けば、学術界だけではなく、様々な産業分野においても新しい風を吹き込むことになるでしょう。将来に向けた挑戦はまだ始まったばかりですが、須藤氏のビジョンをもとに、多くの関係者が力を合わせ、実現に向けて動き出すことが期待されています。